Topページ > 心を伝える
+ 文字サイズ +
 何千年にもわたって、進歩を続けてきた人と社会。それは伝えることの歴史にほかならない。親から子へ、先生から生徒へ、師匠から弟子へ―数え切れないほどの知と技が伝えられてきた。そして人は知と技の妙に触れたとき、そこに何かを感じ取る。すばらしさに心を震わせる。つまり知や技を伝えられるとき、人は一緒に心も伝えられているのに違いない。
イメージ

イメージ

イメージ

 真っ赤な炎。吹き出す熱気。ガラス溶解炉の温度は1300度を超えている。棒状の道具「吹き竿(さお)」に巻きつけられ取り出されたガラスは、水あめのよう。両手で吹き竿を回しながら風船やシャボン玉を膨らませるように、赤色の「あめ」に息を吹き入れる。初めは、吹く量が分からずおっかなびっくり。コツをつかめば大胆になる。さらに、膨らませたり吹き竿を上下させ形を整えれば、世界で一つの花瓶が完成だ。
 7mm四方の色ガラスを張り合わせるアート「ビッツパッチ」も奥が深い。色の組み合わせ、バランスなどでまったく違う表情の作品が生まれる。
 いずれも作業はわずかな時間。だが、火を使い文明を発展させてきた人類が格闘し、伝承してきた技が凝縮されている。

体験者が伝える
  • ガラスは一見冷たいようだが、人間がつくる温かさがある。
    親子で体験でき、一生の記念になった
  • 思ったより難しくなかった。
    伝統工芸という歴史の一部に触れることができたのは素晴らしい経験

【ハルナグラス】

住所/榛東村上野原2
電話/0279・54・8877
営業時間/9時―17時(季節変動あり)
定休日/年中無休

木工

イメージ

イメージ

  「トントン」「ギコギコギコ」「シュッ」「ガガガガガガ」「ガン、ガン、ガン」。木工の作業場にはいろいろな音が鳴り響く。音が1つ響くごとに、木材は自由自在にかたちを変えていく。
 “太古”といわれる昔から、人にとって木は一番身近な素材の1つだった。のこぎりで切る、金づちでくぎを打つ、きりで穴を開ける、のみやかんなで削る。単純な工程の組み合わせで、日本人は小さな道具から巨大建築まで、さまざまなものをつくってきた。
 音が無くなったとき、そこには木材ではなく、新しい1つの道具が姿を現している。鳴り響く音は、木としては成長しなくなった木材に、道具としての命を吹き込む儀式なのかもしれない。
 きょうは親子で協力して鳥の巣箱づくり。出来栄えはいかが?

体験者が伝える
  • くぎがうまく打てて楽しかった。のこぎりは初めて。
    うまく巣箱が作れたから、鳥さんが入ってくれたらいいな
  • 1枚の板で全部できてしまう。
    図面を引いて、切って、くぎを打つだけの簡単なものだけど、なかなか面白い

【あかぎ木の家】

住所/富士見村赤城山1-2
電話/027・287・8806
営業時間/10時―16時(冬季15時)
定休日/年末年始休

こんにゃく作り

イメージ

イメージ

 こんにゃく作りでは練りが重要。湯を加え、のり状にしたこんにゃく粉(精粉)をいったん冷まし、練る。手でよく混ぜ、凝固剤も入れてさらに混ぜる。練りが足らなくても練り過ぎてもいけない、ここが勝負の分かれ道。その感触に、体験者の表情はさまざまだ。
 「コンニャクイモは収穫するまでに3年かかります」「イモは英語でエレファント・フット(象の足)」「1年間で約12億枚が食べられます」―。空き時間には豆知識の伝授。下仁田が精粉出荷の一大拠点であることも、もちろん説明する。
 ゆで上がったこんにゃくに包丁を入れ、田楽みそを付けていただく。何といっても、弾力ある歯応えがこんにゃくのだいご味。そこには1000年以上の歴史が詰まっている。

体験者が伝える
  • あまり食べることは多くないけど、
    郷土に自慢になる食べ物があるのはいいこと。もっと知ってもらえるとうれしい
  • みんなで作ると楽しい。料理は普段しないけど、
    うまくできていたら煮物にでもして、家族に食べさせてみようかな

【こんにゃく手作り体験道場】

住所/下仁田町下仁田390-1
電話/0274・82・2111(役場)
通年

藍染め

イメージ

イメージ

  藍染めは“生き物”という。タデアイ(蓼藍)を発酵させてつくった(すくも)をかめに仕込み、あくなどを加えてできた藍液は、菌の働きが発色を左右するからだ。液面に浮かんだ泡は準備完了の印。
 幾重にも折り重ねた布に板木を押し当て、染まらない部分をつくって模様をなす板締め絞り。どんな柄にしたいのか、どんな柄ができるのか、考え、思いめぐらせるにつけ期待は増していく。
 かめに漬け、藍液をよく染み込ませては引き上げ、漬けては引き上げの繰り返し。空気で酸化させないと発色しない。根気のいる作業が「ジャパンブルー」と呼ばれる深い青を醸し出す。
 青と白、板木と布の折り目。たったそれだけの組み合わせが、無限の可能性を持っている。

体験者が伝える
  • 同じ道具を使っても、2度と同じものは作れない。
    自然を上手に生活に取り入れて楽しむ、古代からの知恵がある
  • どんな模様ができるかが楽しみ。どんな素材からどんな色が出るのか、
    最初に染色をしたのはどんな人だったんだろう

【高崎市染料植物園】

住所/高崎市寺尾町2302-11
電話/027・328・6808
営業時間/9時―16時30分
定休日/月曜・祝日の翌日・年末年始