Topページ > インタビュー > 藤井雄作 氏
+ 文字サイズ +
面白さを追求。地域に宇宙に便利を広める研究者。

イメージ

逆転の発想で生まれた防犯システム

 豊かな自然環境、今もなお漂う文化の薫り。桐生に降り立った藤井雄作さんは「一度でこの地が大好きになった」と言う。
 その大好きな町で起きた空き巣騒動。子供を持つ親としても防犯対策の必要性を感じ、パソコンとカメラを使った防犯システム「e自警ネットワーク」を開発した。面白いのは、カメラを外に向け、自分や家ではなく自分の家の前を見守るというコンセプト。車や人などが通った時だけ画像がパソコンに落とし込まれるソフトも開発し、無料でダウンロードできるようにしている。今では、商店街や学校でも活用。この仕組みを応用して、高齢者の生活を見守るシステムを前橋のNPOと共同で開発している。大好きな町の安全を考えた藤井さんの、住民の心を通い合わせる温かいシステムは、多方面に活躍の場を広げている。

宇宙で採用される研究成果

イメージ

 藤井さんは、力学量の精密計測で世界トップレベルの研究者。現在、開発を進め、世界的に注目を集めているものに宇宙で体重を測定する「宇宙量り」がある。軽いものほど早く移動する原理に着目して飛行士の体にゴムを付け、その張力と加速度を精密に計算して質量を求める仕組みを開発した。
 自らを実験屋と称する藤井さん。面白味を感じるのは実験と結果を繰り返し、追い込んで答えを出す過程にある。しかし 2007年8月 に行われた無重力空間での実験が許されたのは、たったの2回。緊張が続いたが、期待どおりの結果に笑顔がはじけた。目指すは次回の打ち上げ時。「本当は自分で試したい」と宇宙に憧れる少年のようにはにかむ。

大好き → 一生懸命 → 成果の流れ

 船舶を専攻した大学時代、製鉄会社に籍をおいた会社員時代、計量研究を始めた公務員時代を経て、群馬大教授を務める藤井さん。面白いことを追いかけ、寝食を忘れるほど没頭してその都度成果を出してきた。藤井さんが、次代を担う学生に繰り返し伝えること。それは、充実した人生を過ごす「技」だ。
 「何かで一流になるには、まず何かを大好きになること。大好きになったら、一生懸命やること。そして目に見える成果を出すこと。この流れを体験できれば大抵のことはクリアできる」
 ジャンルの異なるさまざまな分野で目に見える成果を出してきた藤井さんが言うだけに、その言葉は強い光を放っている。

 

【プロフィール】

ふじい・ゆうさく  1965年東京生まれ神奈川育ち 。東京大工学部船舶工学科卒業、同大学院工学系研究科修士課程修了後、東京大より工学博士の学位を修得。川崎製鉄株式会社、工業技術院、 産業技術総合研究所を経て2002年群馬大工学部電気電子工学科に文部科学教官助教授、今年より現職。e自警ネットワーク研究会会長、NPO群研理事も務める。学術活動、社会貢献活動で受賞歴多数。杯を酌み交わしながら都内の友人に群馬の良さを説いて回っている。