

今後はマルベリーを使い、アイスやジャムなどを商品化、摘み取り体験についても検討中
養蚕農家が減る中で、若い人にも養蚕について知ってもらおうと多角的な活動を続ける会がある。富岡市と甘楽町の農家6軒と元農家22軒でつくる甘楽富岡蚕桑研究会だ。約50年前に発足した県の蚕桑研究会支部で活動を継続しているのは同会だけになっている。

上から化粧品(石けん・クリーム・ローション)、高崎の江戸小紋の染色作家藍田正雄さん協力で開発した名刺入れ、天然繊維のタオル2種。
高橋純一会長(58)=富岡市=が会長に就任した約10年前に、養蚕の維持・振興を目指して県蚕糸課の助力を受けながら碓氷製糸と協力し、絹製品の独自開発を始めた。自分たちで生産する、本県オリジナル蚕品種「ぐんま200」を使い、ボディータオルやミニタオル、名刺入れや手袋、靴下などを次々と製品化。企業や官公庁にも記念品の形などで活用をお願いし、PRに努めている。さらに、碓氷製糸が開発した石けんやローション、クリームなどの化粧品も、道の駅「みょうぎ」などの物産センターや絹関連施設で販売する。高橋会長は「生糸の精練工程で出る産業廃棄物だった、フィブロインやセリシンというタンパク質が持つ保湿力や紫外線などから肌を守る有効成分を化粧品に再利用することができました。また、シルク製品は軽くて品があり、高級感もある。ボディー用の『つるるんタオル』などは手ごろな値段で売れ行きも順調ですし、化粧品は東京など都会の方から問い合わせがあります」と話す。

甘楽富岡蚕桑研究会による繭で作ったコスモスや福寿草、干支のキーホルダー
同会は地域とのつながりも大切にしている。富岡市の旧官営富岡製糸場で行われるザ・シルクデーや市の産業祭に毎年参加し、座繰りの実演をはじめ繭を使った花や干支(えと)のキーホルダー作り、蚕を持ち込んで実際に見て触ってもらう体験なども実施。蚕を持ち帰って育てる県外の子供もいるという。また、保育園児に繭クラフトを指導するなど、次の世代の子供たちが繭や蚕に接する機会も積極的につくっている。高橋会長は「絹という天然素材が体に合い、健康にも良いことが見直されていますが、製品化の面ではまだまだです」と語り、環境や景観にも配慮して、来春から遊休農地3000平方に食用の桑の実(マルベリー)の木を3年計画で植える予定。「シルクデーで無料配布した桑の実アイスやシャーベットの評判も上々。今後はジャムの商品化やマルベリーの摘み取り体験なども実現したい」と前向きだ。

群馬オリジナル蚕品種「ぐんま200」の蚕と繭