
さまざまな色に塗られたウクレレ。見ているだけでも楽しい。
ハワイ生まれのウクレレ。つま弾けば、優しく、愛らしい音色を響かせ、常夏の国の景色が目に浮かんでくる。手ごろな大きさで、弦の押さえ方もギターほどは難しくない。ハワイアンだけでなく、ジャズやロックなどとも調和する奥深さも魅力。これまでのウクレレの概念を変えた一人である、映画「フラガール」の音楽を担当したジェイク・シマブクロの演奏もきっかけとなり、新たなファンが増えている。そのウクレレの日本製が実は、前橋市上大島町の三ツ葉楽器で作られていると聞き、訪ねた。
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三ツ葉楽器は国内唯一のウクレレ量産メーカーとされる。国産で最も知られる、楽器卸「キワヤ商会」(東京)の独自ブランド「フェイマス」の製造元で、自社ブランド「ゼファー」も製作する。
前身の「三ツ葉工芸」が戦後間もない時期から、小学校の音楽授業向けの卓上木琴を主に製造していたが、需要が激減する“夏休み対策”として、昭和30年代にブームとなったウクレレを手掛けた。
やがてブームは去り、一時はすでに始めていた家具事業への特化も考えたが、金井孝志社長が、宮崎県の特別支援学級でウクレレを活用した教育が行われていることを知り、続けることを決心した。
工場は工業団地の一角に所在。ウクレレ生産の現場に入ると、見たこともない工作機械が並び、「自分で買う気持ちになって作りなさい」という金井社長の哲学の下、十数人の“職人”が真剣な表情で作業を進めている。金井社長は「試行錯誤しながら、特注した機械。従業員も誰にもまねができないほど熟練している」と自負する。
胴と呼ばれる共鳴箱の材料は、マホガニー、コア、ブビンガーを使用。まずは、胴の表裏になる板をひょうたんやパイナップル型に切断し、加熱などして形づくられた胴の側板と張り合わせる。
ネックと胴は、にかわで張り合わせる。「適量」は職人の長年の勘が頼りだ。12工程ある塗装も、塗料がネックと胴との接続部にたまらないよう吹き付けるなど高い技術を要する。
中国や韓国などの外国産も参入してきたが、金井社長は「弾きやすさ、音の出方などプラスアルファがあり、値ごろ感もある。アフターケアも確実にできる。本場にだって負けません」と自信を込める。

慣れた手つきで、胴の表裏の板をひょうたんの形に切断する。

ネックと胴を張り合わせるにかわの量は職人の勘が頼り。

塗装も熟練の技が必要だ。
【会社概要】
1948年創業。64年に三ツ葉工芸を引き継ぎ三ツ葉楽器に社名変更した。ウクレレは月1200本生産している。ブーム時に大量輸出し現在は途絶えていた米国への挑戦を視野に製品開発を進めている。家具の生産も行う。