

生産者グループの会長を務める新井さん
野菜作りは土が基本と言われる。沼田市利根町の生産者でつくる「赤城根健康ミネラル野菜連絡協議会」(新井拓実会長)は、土壌づくりに20年以上こだわり続けているグループ。土の中のミネラル成分を調整することで、日持ちが良く、食べる人の健康に役立つ野菜を作っている。今では同市の一部地域でも取り組みが広がっており、土づくりの産地を築いた先駆けだ。

ミネラル成分を豊富に含んだ土壌
協議会メンバーは約35人で、それぞれ作る野菜はレタスやトマト、エダマメなどさまざま。全員が「中嶋農法」と呼ばれるミネラル栽培を導入している。理学博士の中嶋常允さんが考案した同農法は、ミネラル成分のバランスが取れた土で野菜を作り、食べた人の健康を増進させるという。
20年ほど前、連作障害による作物の品質劣化に悩んでいた赤城根地区の農家が、この農法に目を付け始まった。メンバーは収穫が終わった後、空いた畑の土を一部採取し分析センター(熊本県)に送る。その後、土壌中の各ミネラル成分の量が書かれた土壌診断書が送られ、これを参考に不足している要素を肥料で補い、野菜作りに最適な値に近づけていく。従来、生産者のほとんどは長年の経験や勘を頼りに施肥していた。ミネラル栽培を導入してレタス類などを作る新井会長は「こうした科学的なデータは貴重な裏付けとして頼りになる」と話す。

エダマメの袋には天然ミネラル塩も入っている(写真左)
中嶋農法で育ったフリルレタス(写真右)
5月から10月までの毎週金曜日はメンバーと地元JAが協力して作物の糖度や硝酸値を計測したり、月末の定例会では作物の生育状況をチェックしたりと品質維持に努めている。県内外のスーパーマーケットなど約10社との契約出荷が中心で、市場の値動きに関係なく常に一定価格で取り引きできるのがメリットだ。新井会長は「取引先から日持ちが良い、おいしいとの評判を聞く」と手応えを感じている。
「ミネラル野菜」とうたわれ店頭に並ぶことが多い同協議会の野菜は都心部で受けが良く、地元・群馬でも次第に認知が広がっている。新井会長は「こだわって作った野菜を地元の人にもっと多く食べてもらいたい」と話していた。