1939年、高崎市(旧群馬町)生まれ。東京農業大学農学部卒。JAはぐくみ理事長。2004年6月に榛名酪連代表理事会長に就任。生産者団体として生乳のおいしさと品質を大切に、安全で安心できる製品づくりに取り組んでいる。
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シリーズ<5> 2006年11月15日掲載
榛名の自然の恵みをおいしく安全に。
榛名酪農業協同組合連合会代表理事会長 松田 栄 さん
榛名酪連50周年記念式典を間近に控えたこの日、高崎市小八木町にある本社の会議室で、豊富な自社商品を前にインタビューに答えていただきました。
 ■「菜っ葉とこうこ」■
「榛名酪連の会長さん」と伺うと、お宅は酪農家なのかあと思ったのですが。
(松田) それが、違うんですよ(笑)。榛名酪連の出資組合の代表として、「JAはぐくみ」の理事長である私が代表理事会長となっています。私自身は農家ではあるのですが、酪農家ではないのです。
はぐくみとは、榛名、群馬、倉渕、箕郷の4つの頭文字をとって名付けられたのでしたね?
(松田) はい、そうです。はぐくみとそれから高崎、北群馬、渋川が榛名酪連の組合員のエリアになります。
子供時代の食生活についてお聞きしたいのですが、ご出身はどちらですか?
(松田) 今は合併して高崎市北原町になりましたが、元の群馬町国府の出身です。
あの「国府白菜」で有名な?
(松田) そうです。私の家も白菜などの野菜を中心に作っています。昔は、養蚕や米麦をやっていましたが、最近は、野菜が中心ですね。
子供時代、どんなものを食べていましたか? おかずでいうと、煮物が多かったとか…。
(松田) いもの煮っ転がしは、よく食べましたね。昔は、サツマイモとかサトイモ、ジャガイモ…。こういうものを食べていました。今でも、いもの煮っ転がしは好きですね。
「お袋の味はおいしかったなあ」とか「こんなものが食べたかったなあ」とか、どんな記憶がありますか?
(松田) 私は、昭和14年生まれです。当時は、戦時中でしたから、農家の長男であっても満足に食べられなかったですよ。米も白くない。麦飯です。みんなサツマイモやサトイモ、ジャガイモ、そんなものを食べていました。「菜っ葉とこうこ」っていってね、白菜やダイコン葉、たくあんが主なおかずでしたよ。本当に何もなかった時代です。昔のことを思い出すと・・・。胸がいっぱいになりますね。
 ■人気の食材プレゼント■
榛名酪連は、今年創立50周年を迎えました。これまでの歩みについてお聞かせください。
(松田)

1956(昭和31)年に、農林省(当時)の酪農振興法に基づき、高崎市、群馬郡、北群馬郡、渋川市を管内とする榛名山ろく集約酪農指定地区に指定されたことを機に、37の総合農協と高崎ハムを会員とする酪農専門農協連として発足しました。92(平成4)年には、販売部門を榛名直販株式会社として独立させ、順調に売り上げを伸ばしています。11月8日に創立記念式典を行いましたが、こうして創立50周年が迎えられたのも歴代の先輩方の努力のたまものだと思います。

50周年ということで、何か目標に掲げられたことがありますか?
(松田) 50周年を記念し、生まれたのが「おいしさギュギュッと。」というキャッチフレーズです。「自然」「健康」「安心」「新鮮」「おいしさ」の5大要素をキーワードに、消費者の皆さんに一層信頼される製品づくりに取り組んでいます。
「おいしさギュギュッと。」。いいキャッチフレーズですよね。響きもいいし、わかりやすい。どのようにして決まったのですか?
(松田) 職員の公募で決まりました。「生産者団体として、さらなるおいしさの追求を目指し努力していこう」というわれわれの気持ちが込められたキャッチフレーズになりました。
キャンペーンで野菜をプレゼントされていますが、大変好評のようですね。
(松田) ありがとうございます。「群馬の旬おいしさ集めてギュギュッとプレゼント」キャンペーンとして、毎週50人、総計1000人の皆さんに群馬県産「旬の野菜・果物」の採れたてを詰め合わせしてプレゼントしています。反響がすごくて、1週間で6000通も届いたのにはびっくりしました。ここまでの応募があるとは…うれしいことです。
野菜をプレゼントしようと思ったのは、なぜですか?
(松田) 群馬県産の野菜や果物は「新鮮でおいしい」と非常に人気があります。榛名酪連も、「酪菜館(らくさいかん)」という産地形成促進施設で野菜を販売していますが、大変好評なんです。われわれ農家から見るとわずかな量の野菜の詰め合わせでも、都会の人はとても喜んでくれます。絵皿などと比べてインパクトがあったのかもしれませんね。当選した方からは喜びのお手紙も届いています。
 ■健康な牛が作るおいしい牛乳■
榛名酪連が今、一番力を入れている商品を教えてください。
(松田) やはり、なんといっても「榛名牛乳」でしょうね。榛名山ろくという恵まれた環境で育った健康な牛からおいしい牛乳が作られることを一番伝えたいですね。
私も牛乳を購入するとき、ネーミングを気にしてみたり、どれにしようか迷うんですが、牛乳のおいしさの決め手は何でしょうか?
(松田) 「新鮮」であることが一番ではないでしょうか。また、牛乳の成分である無脂乳固形分と乳脂肪分、水分のバランスが、味覚に大きな影響を与えるのではないかと思います。それには、牛の健康管理が行き届いていることが大事ですね。
牛乳以外の製品もたくさんあるんですね。
(松田) ええ。2001年にデザート工場ができ、いろんな製品を作るようになりました。榛名酪連で製造した牛乳や乳製品、デザートなどは、榛名直販で販売しています。施設の整備拡充を行ったことで、大手スーパーさんとの取引が始まり、販売エリアが愛知県から青森県までと、東日本全域に広がりました。
一般的に牛乳の消費量は減少傾向にあるのですが、榛名酪連としては売り上げは伸びています。おかげさまで、牛乳の健康性をPRし消費拡大の販促活動を行い、好調に推移しております。安全管理システム「HACCP(ハサップ)」を導入するなど衛生管理も徹底していますし、今後も、消費者の皆さんからいろんな意見や要望を聞きながら取り組んでいきたいと思っています。
 ■工場見学に来る子供たち■
子供たちの食育が今、重要視されている中、工場見学を行っていますね。子供の見学者は多いですか?
(松田) 子供もそうですが、大人も含めて見学者は多いですよ。毎日、来ています。年間だいたい3000人ぐらいでしょうか。一番多いのは小学校の社会科見学ですね。
生産現場を見てもらうことが、食育や消費拡大につながっていますか?
(松田) 実際に製品を作っている過程を見てもらうことが大事だと思います。私たちは、生産者団体です。混ぜ物ではなく、そのものの牛乳の味をモットーとしています。酪農家が育てた乳牛から生まれた乳をいかに早く新鮮な間に、お客さまに安心安全なものを届けるかが使命です。生産現場で安心安全を訴えていく。それには、子供たちに見てもらうのが一番だなと思います。
 ■牛乳飲んで葉物を食べる■
ご自身の今の食生活はいかがですか? 普段、どんなものを食べていますか?
(松田) 小さいころから米と麦、野菜を食べています。お昼はそばやうどんなど、めん類を食べるようにしていますし、お酒をなるべく飲まないようにしています。もちろん牛乳は毎日飲みます。できるだけ野菜を食べようと、白菜が大きくなる前の間引いたものやコマツナ、ホウレンソウ、ダイコン葉など採りたての葉物を朝も夜も食べています。おひたしにしたり、浅漬けにしたり…。こういうものは、毎日食べても飽きませんね。
間引いた白菜、おいしそうですね。健康を考えた食生活をされていますが、「実は、これが好きなんだ」という食べ物があったら教えてください。
(松田) 本当は肉が好きなんですよね(笑)。以前は、経済連で畜産部門を長く担当していたものですから。やはりカルビがうまいですね! それから、白といわれるモツ。最初はカルビなどの赤ものを食べますが、最後はやっぱり白です!
本当にお好きなんですね! 言葉に力が入っています。
(松田) でも、今は、野菜ですよ。コマツナが特に好きかな。それと、白菜、ホンレンソウ、ダイコン葉。これを食べていれば最高ですね。
現在の日本の食生活の傾向で何か感じることはありますか?
  やっぱりね、日本人は米を食べなきゃだめだね。米ですよ、米! 私は米だけは朝と晩に食べています。食料自給率を第一に考えていますから。昔は、年間一人2俵でしょう。今は1俵欠ける。「古い」といわれるかもしれないけど、「食は米から始まる」と私は思います。
「お米を食べよう! 牛乳飲んで、葉っぱも食べる!」ということですね。最後に、みのりくらぶの読者に向けて、メッセージをお願いします。
  牛乳はカラダにいいですし、榛名酪連の牛乳はそのものの味が楽しめます。今は、手土産に菓子折りを持って行っても昔のようには喜ばれないでしょう。だから、私は牛乳とか乳製品を持っていくんです。とても、喜ばれますよ!
今日、お茶代わりにいただいたアイスクリームも、甘過ぎずコクがあってとってもおいしかったです。手土産に本当にいいですよね。大変ありがとうございました。

(聞き手 上毛新聞社広告局次長兼編集部長 吉島一江)