かとう・まさえ
1960年福井県生まれ。金沢大学卒。83年に味の素ゼネラルフーヅ入社。91年5月キリンビール入社。札幌支店長やキリンビバレッジ営業推進担当部長などを経て、07年3月から現職。
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シリーズ<9> 2007年7月18日掲載
群馬の名産を一緒に作りたいと思います。
キリンビール群馬統括支社長 加藤 勝重 さん
 今年3月に群馬に赴任された加藤支社長。「みのりくらぶ」(7月18日発行号)撮影のため前橋市内の上州牛肥育農家を訪れ、「うわぁ、大きいんですね!」と間近に見る肉牛にビックリしたご様子でした。
 統括支社の会議室では、群馬県の印象や、ふるさとの味についてお話いただきました。
 ■ふるさとの味「へしこ」■
今年の3月に赴任されましたが、群馬の印象はいかがですか??
(加藤) 3月でしたので、「非常に寒い!」というのが第一印象ですね。風が強くて、風神雷神というは、こういう厳しい感じなのかなぁというのが素直な印象でした。
群馬は、風が強いのが特色でもありますよね。食べ物はどうですか?
(加藤) おきりこみが、おいしかったですね。全体の感じとしては、素材そのものは素晴らしいものがあるにもかかわらず、残念ながら名産にはなっていないという気がしましたね。焼きまんじゅうや手ごねこんにゃくもおいしかったです。
ご出身はどちらですか?
(加藤) 福井県です。
地元の味として、忘れられない食べ物はどんなものがありますか?
(加藤) 有名なところでいうと越前ガニなど・・・、日本海ですから魚がおいしいですね。ただ、この年齢(とし)になって非常に懐かしいというか、無性に食べたくなるのが、「へしこ」。サバをぬか漬けにしたもので、福井や丹後半島などの一部の地域で食べられている、いわゆる保存食ですね。これが無性に食べたくなるんです。高崎でも何軒か置いてある店を見つけました。
「へしこ」とは、どんな味ですか。
(加藤) えー、魚の漬け物みたいな味の、発酵食品ですね。おそらく、苦手な人は苦手だと思いますが、はまると、もう、くせになっちゃうんですよ(笑)。
 ■「串カツ」はビールに最高!■
普段の食事はどんな感じですか?
(加藤) 単身赴任中なので、今はまかない付きの寮に入っています。朝食はそこでいただき、夜は飲みに行くことも多いです(笑)。自分で料理することはないですね。
今、食べ物で、おいしいなと思われるものは?
(加藤)

マイブームとして凝っているのはスープカレー。北海道に長くいましたので、自宅も札幌に構えています。札幌といえば札幌ラーメンが有名ですが、今、札幌のブームはスープカレーなんですよ。もともと辛いのが好きで、店によっていろいろな特徴がありますから、食べ歩くのが楽しいですね。

当然、ビールはお好きだと思いますが、ビールを一番おいしく飲めるおつまみは?
(加藤) ビールに合うのは、揚げ物だと思うんですよ!北海道の前に大阪にも長くいましたので、大阪の串カツ!これが最高にビールと合うんですね。あとは、焼き鳥ですね。
 ■「キャベツ」「キュウリ」のお料理コンテスト■
キリンビールは、群馬県で収穫されたビール麦を使っていますね。群馬県産の麦の品質はいかがですか?
(加藤)

かなり高品質だと思います。キリンビールは、一部群馬県で収穫されたビール麦を使わせていただいておりますが、購入する大麦の生産地が全国に10カ所ぼどある中、群馬県の購入量は全国でも上位です。そういう意味でも、群馬の麦の品質は全国でもトップレベルだと思います。

「はばたく群馬に乾杯!」というキャッチフレーズで地産地消を応援されています。今年は、「KIRINグッドぐんまの新鮮野菜・第1回お料理コンテスト」を開催されましたが。
(加藤) 全部で108通のご応募をいただきました。素材は、本県産の「キャベツ」と「キュウリ」と、極めてシンプル。われわれのイメージでは、キュウリは漬物や酢の物ぐらいしかないんじゃないかと思っていましたが、非常に創造力あふれるおもしろい逸品がたくさん登場し、第一次選考が非常に難しかったですね。
なにか気に入ったものはありましたか?
(加藤) 最終審査に残られた方で、残念ながら実技審査は仕事の関係で来られなかったんですが、キュウリをピリ辛でフライにしたものがありましてね。私はいろんなお店を回っていますが、これは聞いたことがなかったので、食べてみたいなと期待していたんですが・・・残念でした。
また、産地の方に聞くと、キャベツを食べやすい大きさに切って軽くボイルし、スパゲティのソースなどをかけてごはんの代わりに食べる。キャベツダイエットとして、いいみたいですよ。
  コンテストで優勝されたのは?
(加藤) 中学生の男の子でした。聞きますと、小学校低学年のころから家で料理をやっていたようですね。アイデア豊富で、プロ並みですね。また、入賞された方には高校生もいました。桐生第一高校には調理科がありますし、「高校生のレベルがすごく高い」と噂には聞いていたのですが、その通りで腕前もプロ級でした。
コンテストのメニューは、レシピを公開するなど幅広く知ってもらいたいと思います。また、飲食店様にもご提案し、メニュー化できたらと思っています。
 ■「上州牛」「上州麦豚」を全国にPR■
「選ぼうニッポンのうまい!」キャンペーンで、昨年は「群馬のうまい!」に「上州牛」を選ばれましたが。
(加藤) プレゼント品目中、牛肉は全国で11銘柄あり、「上州牛」はそのうちの人気ランキング4位でした。知名度はまだ低いんですが、食べていただけると上州牛の味のよさを理解していただける。そういう観点からいくと、豚も群馬の特産品ですので、上州牛と合わせて「上州麦豚」も全国にピーアールしようと、今年は「上州牛」「上州麦豚」の2品を出品しました。
実際に上州牛や上州麦豚を食べてみてどうでしたか?
(加藤) そうですね。上州牛は、「松坂牛ですよ、神戸牛ですよ」と言われたら、そのまま信じてしまうような、レベル的には全国にある有名な銘柄にまったく引けを取らないですね。上州麦豚は、しゃぶしゃぶでいただきましたが、非常にあっさりした中にもしっかりした豚肉の味があり、ビールに合いますし、お客さまに喜んでもらえると思いました。
やはり素材をもっともっとアピールすることが大事ですね。
(加藤) 群馬や茨城など首都圏に隣接している県は、大消費地・東京がすぐそばにあるため、宣伝しなくても売れてしまうんですね。各県挙げてブランド化を展開している流れの中では、それがマイナス効果に働いてしまっている。出遅れているのかなと感じますね。
 ■食の豊かさ・健康・楽しさを提供■
今後の御社の展望についてお聞かせください。
(加藤) 私どもキリンビールは、全国各地に統括支社を置き、地元密着の活動を展開しています。ビールを扱う食品会社として、食を通して、豊かさ・健康・楽しさを提供していきたい。群馬の産物を応援する中で、地域の活性化を図れたらいいなと思います。そのためにも、地元の方と一緒になって展開していくことが大事だと思っています。
最後に、みのりくらぶの読者へメッセージをお願いします。
(加藤) 先ほどのコンテストでの、「キャベツ」と「キュウリ」、そして「上州牛」と「上州麦豚」。群馬は日本の中でも素晴らしい農畜産物があり、高い生産量をあげています。
けれども、残念ながら、大消費地・東京にいってしまうという流れもあり、いいものが身近にありながら地元の方が接していないし、おいしい食べ方もご存知でない。非常にもったいないですね。
昨年、JAグループさまと共催で沼田で実施した「枝豆摘み取り体験」の「湯上がり娘」は、大変おいしい枝豆ですが、群馬では全然売っていないんです。全部、東京に行ってしまうんです。
地元で採れたおいしいものは、地元の人に愛されて初めて商品としてグレードが上がるのかなという気がします。そういう意味でも、地産池消―地元で採れたものを地元で消費してもらい、地元の方に愛されてもらいたい。そして、最終的には、地産東消として、東京で消費され生産者の方も潤っていく。そうした流れをJA様と組んで一緒にやっていきたいなと思っています。
皆さまにはもっと地元に自信を持って、関心をもって、どんどん地元のものを食べてもらいたい。そうしたことを通して郷土愛がはぐくまれると思います。食というのは生活の中心、文化の中心です。郷土・群馬ならではの名産をわれわれも一緒になって作っていきたいと思っています。
大変貴重なお話、ありがとうございました。

(聞き手 上毛新聞社広告局副理事・編集部長 渡辺佳幸)