| ■健康に育ったおいしい豚■ |
| − |
本日は、田村シェフにレストランで提供されている「やまと豚」の料理をご用意いただきました。八日市屋社長、ぜひ、お召し上がりください。 |
| (八日市屋) |
いただきます。
<八日市屋社長、試食する> |
| − |
いかがですか? |
| (八日市屋) |
しっかり焼いてあって、風味があり、「やまと豚」だなあと思いますね。一般の豚ですと豚臭さがありますが、女性客の方も「食べておいしいね」と喜んでもらえると思います。ごちそうさまでした。 |
| − |
それでは、お話を伺いたいと思います。八日市屋社長は、本県には1年にどのくらいお越しですか? |
| (八日市屋) |
年に2回各現場を歩いています。10月は下期のスタートということで、基本方針を伝えながら現場を歩いています。群馬県は今年2回目の来県です。 |
| − |
群馬県内に、フリーデンの農場は、どのくらいあるのでしょうか? |
| (八日市屋) |
弊社の農場は群馬県をはじめ岩手県、秋田県、福島県と全国に10カ所あります。群馬県には黒保根と、吾妻2カ所の計3カ所、約5000頭の母豚がいます。群馬県内の「やまと豚」の生産頭数は年間約11万頭で、県内肉豚の約11%のシェアを占めますので、大変、群馬県と深いかかわりを持つ豚と言えます。 |
| − |
「やまと豚」の特徴を簡単に説明すると、どのような豚でしょうか? |
| (八日市屋) |
おいしい豚肉とは、ひと言で言うと、健康に育った豚、病気をせず、すくすくと大きく育った豚、だと思います。その条件として4つほど申し上げると、
(1)健康に育つ骨格構成、品質改良。当社では、岩手県で育種の改良から種豚を作り、一貫生産しています
(2)肉質に餌の脂肪分が蓄積するため餌も厳選しています
(3)新鮮な空気と清潔な環境で育てています
(4)おいしい水、活性水を使っています
この4つをコンセプトに、「やまと豚」を作っています。 |
| − |
農場では、HACCP(ハサップ)を導入されているそうですが。 |
| (八日市屋) |
はい。農場で育て、食肉センターでと殺し、お店に並べて消費者まで届く―そうした長い経路の中で出てしまう危害要因を予防する、フリーデン方式農場HACCP、「危害要因分析システム」を10年ほど前からスタートしました。伊勢原工場では、ISO9001を取得し、消費者に安全安心を訴えられるようにと取り組んでいます。 |
| − |
ハム・ソーセージは、DLG(ドイツ農業協会)食品コンテストで、3年連続金賞を受賞されているそうですね。 |
| (八日市屋) |
社名の「フリーデン」とは、ドイツ語で安心安全の意味。加工品はドイツ製法で作っています。コンテストの出品は、社員の士気を高めるためと、消費者の皆さまにやまと豚のおいしさを伝えたいと始めました。将来は、マイスターを取ろうと努力しています。 |
| ■脂身が甘くて臭みがない■ |
| − |
田村シェフにお伺いしますが、「やまと豚」を使ったメニューの提供を始めたのは、いつからですか? |
| (田村) |
私は、就任して2年10カ月ぐらいなのですが、「やまと豚」は、先代のシェフが取り入れたのが始まりです。肉屋さんから、「おいしい、いい豚肉がありますよ」と勧められたそうです。具体的なメニューは、「TONDON(豚肉のオリジナル丼)」や、昼と夜のコース、アラカルト、ひと口ずついろんなものが食べられるプレートなどで提供しています。
|
| − |
やまと豚をお使いになってみて、いかがですか? |
| (田村) |
一番感じているのは、脂身に甘みがあり、臭みがないこと。焼いても、ゆでても、どちらにしてもおいしいです。塩コショウだけでおいしく味わえる豚だなあと思います。脂身が苦手な方も、豚肉のおいしさを実感されるのではないでしょうか。
|
| − |
かなり豚肉によって味は違うものですか? |
| (田村) |
違うと思いますね。同じ料理でも豚によって味は変わります。「やまと豚」は特に年配の女性の方に喜ばれていますね。人気メニュー「TONDON」は、ごはんに野菜と豆、やまと豚のバラ豚を煮込み、ピリカラで温泉たまごが入っています。 |
| − |
おいしそうですね。地産地消としては、ほかにどのような食材を使っていますか? |
| (田村) |
野菜は県産のものを多く使っています。上野村のきのこや、伊勢崎の農家から直接仕入れるト マトやキュウリ、吾妻のサラダ菜、大きなパーティーでは上州和牛も使っています。
前橋市は「TONTONのまち前橋」として豚肉料理を推進していますので、創作料理を通じて豚肉のおいしさを知ってもらえるとうれしいですね。外国産と比べてブランドが確立されているので安心して召し上がっていただいています。 |
| − |
以前は、どちらにいらっしゃったのですか? |
| (田村) |
東京のホテルオークラです。桐生第一高校の調理科で調理師免許を取得し、卒業後から15年間、洋食部門でフレンチ、イタリアンを修業しました。
調理師になろうと思ったのは、小学生のときテレビでウエディングケーキを見て、ケーキ屋さんになりたいと思ったのが始まりなんです。(笑) |
| ■循環型農業で飼料米も■ |
| − |
ところで最近は、アメリカのエネルギー政策で、飼料であるトウモロコシの値段の高騰が伝えられていますが・・・。 |
| (八日市屋) |
昨年秋からトウモロコシは1.5倍強の相場に跳ね上がりました。地球温暖化の影響によるアメリカのエネルギー政策でトウモロコシからバイオエタノールを作ることを推進しているからです。現在、アメリカの農地全体が値上がりしているという、ちょっと異常な事態です。
それが世界に波及しています。日本の食料自給率は4割で、6割は輸入です。昨年お話したときは(みのりくらぶ 06年12月号掲載)、「母豚を今の3倍にしよう」という戦略で動いていたわけですが、穀物の相場が落ち着くまでは様子をみようと切り替えました。
|
| − |
どのような、対策をお考えですか? |
| (八日市屋) |
弊社では飼料に米を使おうと、5年前から本格的に岩手県で多収穫飼料米の実験栽培をしています。養豚で出た堆肥(たいひ)を農地に還元する「循環農業」をしたいと思ったからです。今、われわれが食べているお米は、一反500キログラム収穫できるものですが、今考えている飼料米は、900キログラムから1トン取れる多収穫米です。最近、トウモロコシの値段の高騰で飼料米が全国的に注目され、私どもが関係している「畜産草地研究所」に問い合わせが殺到しているそうです。
昔は土作りのために家畜を飼う有畜農業が一般的でした。養豚をやっていると、いろいろ辛いこともありましたが、今の時代になって、これぞ土作りの畜産かなと思います。本格的な日本の循環農業はこれから始まるのではないかと思っています。 |
| − |
お米を餌にすることで、豚肉の味への影響はどうですか? |
| (八日市屋) |
豚肉の脂身は餌によって決まります。おいしい豚を育てるには、新鮮な餌が大事です。新鮮な餌は脂肪分が酸化していないのです。お米はオレイン酸、トウモロコシはイノシン酸という、うまみ成分を持っています。その上、オレイン酸は、トウモロコシの豚より脂身が甘いいい豚ができると科学的に証明されています。当社ではお米を一定量与えていくように計画を進めています。 |
| ■生命の環で生かされている■ |
| − |
フリーデンの企業理念「いのちの環」について伺います。最近の若いお母さんで「給食費を払っているのだから『いただきます』は必要ない」と言っている方がいるようですが。 |
| (八日市屋) |
言語道断ですね。食べ物を冷蔵庫から出してチンするなど、親が手間暇かけた料理を子どもさんに作っていない、お金を出せば食べものが手に入ると思っているからですね。「いただきます」は、「あなたの生命を私の生命に、いただきます」を短くしたもの。食を通じてしつけをしようと食育が盛んですが、野菜、肉、米、魚と、みな命あるものをいただきながら、私どもは生かされているという、感謝の気持ちを持ち続けたいと思います。
生命の輪は続いているんですね。おいしい魚を食べるにも、川に汚水を流すと川の魚だけでなく、海の魚も食べられなくなる。土も同じで、今、私どもは堆肥で野菜を作っていますが、微生物が順調に育つことで除草前も殺虫剤もいらない作物が育っていくんですね。 |
| − |
田村シェフは、今のお話をどのように感じられましたか? |
| (田村) |
調理師として18年間、食に携わっていますが、八日市屋社長のおっしゃる通りだと思います。生命の大切さを重視し、お客さまにおいしく味わっていただける料理を作っていきたいですね。お客さまから直接料理の反応を伺えるのが、今、一番うれしいんですよ。 |
| (八日市屋) |
一生同じ仕事をやり続けられるのは幸せなことです。私も豚にずっと携わり、今、自分がやりたかった循環農業ができるのはありがいたいですね。田村シェフもトップになったのですから、自分のやりたいことをやってくださいよ!(笑)
私は6年前、銀座で創作料理の店を始めました。当時、お店のネーミングを決めるとき、「フリーデンがやるのだから、『豚肉創作料理』にしたい」と言いましたが、料理長に「銀座で豚がつく名前は、はやりません」と言われましてね。みんなで何度も話し合い、ようやく「豚肉創作料理やまと」に決まりました。その後、BSEの問題があり、豚肉が注目されるようになりました。
|
| − |
追い風になったわけですね。ところで、田村シェフ、簡単に作れる、おいしい豚肉料理がありましたら教えていただけませんか? |
| (田村) |
家庭で作るのなら、やはりシンプルに塩コショウで焼くか、しょうが焼きが一番おいしいと思いますよ。 |
| (八日市屋) |
おいしい「やまと豚」を食べたい方は、ぜひ、「ヴォレ・シーニュ」へ。 |
| (田村) |
ありがとうございます! |
| − |
では最後に、八日市屋社長、みのりくらぶの読者にひと言お願いします。 |
| (八日市屋) |
弊社はCSR(企業の社会的責任)に取り組んで3年目です。今、食品業界はいろんな問題が起きています。法令順守どころか、だれを信用していいかわからない状態です。私どもは、安全なものを供給するのは当たり前で、地域社会への貢献も含めて取り組んでいます。群馬の企業、地元の農家、お店…それぞれの経営者が思いを入れて経営されていると思います。私どもも社会的責任として、社員一丸となって取り組みます。
『みのりくらぶ』にお願いしたいのは、紙面を通じて、より賢明な読者を育ててほしいということです。読者の皆さんも、安ければいいという買い方ではなく、この商品がどのようにして作られたものかを勉強し、ぜひ、賢い消費者になってほしいと思います。
|
| − |
本日はお二方にご臨席いただき貴重なお話が伺えました。大変ありがとうございました。 |
(聞き手 上毛新聞社広告局副理事・編集部長 渡辺佳幸)
|