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 その1

 ●大島修さんの舞台裏1//


 raijin.com主催の第1回ホームページコンテストで総合グランプリを受賞した大島修さん=新田郡新田町=の「天文と科学のページ」は、趣味の天体観測と科学遊びを紹介した楽しいサイトだ。太田東中学で理科を教える大島さんは、得意の工作やパソコンのソフト開発を生かして、面白いものをいろいろと開発しているが、中でも天体写真は、専門雑誌のコンクールで何回も入賞するほどの腕前。ホームページには、冷却CCDを使って大島さんが撮影した神秘的な星雲の写真がいくつも紹介されている。素晴らしい天体写真はどのようにして撮影するのか?大島さんの舞台裏を訪ねてみた。(2000年12月)


口径25cmの天体望遠鏡。CST(コンピュータ・システム・テレスコープ)製で惑星用に特注したもの。赤道儀は昭和機械製作所製

 農家の庭先に続く畑の中に物置のような小さな小屋が建っている。

 6畳ほどの小屋の内部を占有しているのは、口径25cmの巨大な反射望遠鏡。どっしりとした赤道儀に固定され、巨大な円筒を天井に向けている。

 「レールが渋くなっていて・・・」

 小屋の主・大島さんは、天井の片隅に手を掛けながら、力まかせに屋根を押し開けた。

 スライド式の屋根は外側に押し出され、天井が全開になった。冷たい12月の風とともに、月の光が小屋の中に流れ込んだ。

 天体観測は大島さんの子どものころからの趣味。大島さんが「観測所」と呼ぶ小屋は大学生のときに、自分で設計したものだそうだ。

 「本当はドーム型ならいいんですけどね。風当たりがだいぶ違いますから」

 少し残念そうにいうが、専用の観測所が持てるぜいたくには満足している様子だ。


畑の中に建っている大島さんの観測所。室内の広さは2.7m×3.6m

 観測所の中には、一世代前のFujitsu製のFMV DESK POWER S165というウインドウズ98搭載のパソコンとかなり古いNEC製のPC9801が置いてある。いずれも中古で手に入れたもの。PC9801は5,000円、FMVは10万円ほどだったという。

 PC9801は望遠鏡に取り付けた普通のフィルムを使うカメラのシャッターをコントロールする。FMVにはデジタル撮影用の冷却CCDをコントロールするソフトが入っている。

 ほこりだらけの機材を見ていると、「本当にこれで天体写真が撮れるのだろうか」と疑問もよぎるが、大島さんが撮影する写真は、「月刊天文」「天文ガイド」「SKY WATCHER」といったマニア向け専門雑誌の天体写真コンテストで毎年のように入賞している。天文マニアの間では名の知られた存在だ。


大島さんは太田東中学の理科の先生

 大島さんは昭和34年生まれ。新田町の中学校から太田高校、群馬大学へ進学した。

 天体に興味を持ち、天体写真を撮るようになったのは、中学生のころから。

 天体観測では、たとえ望遠鏡を使ったとしても、肉眼で見えるものには限界がある。カメラを使って長時間露光することによって、目に見えない星の姿を捉えることができる。カメラはどうしても欲しい機材だが高価で、中学生には手が出せない。

 そこで、大島さんは、自宅にあった古い蛇腹式のカメラを持ち出してきて、自分で改造することを考えた。天体写真に高速シャッターは不要なので、複雑なメカニズムはいらない。改造は簡単だったという。

 なんでも身近なものを工夫して手作りする大島さんの「創作」活動の始まりだった。


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