鈴木伸一選

2004年1月13日上毛新聞掲載


カンカンとこがらし響く冬の声
渋川青翠高3年 千明 裕美
【評】木枯しの音を「カンカン」と聴き取った感覚がいい。乾いた、無機的な音ですが、これは作者の内面を物語っているのかもしれません。
雪ふった触れた指には淋しさが
渋川青翠高3年 狩野 孝文
【評】指で触れた雪は、たちまち溶けてゆきます。そして指先に残るのは、たださびしさだけ。ちょっと感傷的過ぎるきらいもありますが…。
冬の虹午後の教室にぎわいぬ
赤城養護高2年 岸  昌燈
【評】だれかが冬の虹に気づき、しばし教室内がざわめきます。そんな日常の一こまが叙情的に、奇をてらうことなく描かれているのがいい。
鮭茶漬け病む冬の夜も食進む
赤城養護高1年 橋本 達哉
【評】「いのち」というものを考えさせられる、重みのある作品です。自分自身をしっかりと見つめており、その意味でも立派だと思います。
夕焼けの空一面の切なさよ
共愛学園高1年 植木  梓
【評】空一面の夕焼けはとりわけ美しいものですが、しかし美しさの極みには、どこか切なさや悲しさがしのび込んでくるのかもしれません。