鈴木伸一選

2004年2月17日上毛新聞掲載


懐かしき友歩きくる霞かな
高崎北高3年 石毛 寛子
【評】季語の用い方、文体、共に大人の俳句の領域に達しています。「友」は現実の存在とも幻影とも解釈でき、読者の想像も広がります。
雛壇の並びを毎年話し合う
高崎北高3年 原崎  愛
【評】言われてみると、雛人形の正式な並べ方って、案外知らないものです。家族であれこれ話し合っている様子が、何ともほほえましい。
知らぬ間にこぶしを作る冬の朝
関東学園大附高2年 亀山 由香
【評】なるほど寒いときは、知らず知らずのうちに身体に力が入りますからね。握りこぶしをぎゅっと作って、これから登校でしょうか。
夕焼けで染まりゆく影ひとり踏む
高崎商科大附高1年 関根まどか
【評】夕焼けに、まるで影までもが染まってゆくようなのです。たいそう美しい情景ですが、その背後には一抹のさびしさも感じられます。
春一番君の顔が早く見たい
高崎商科大附高1年 後藤香菜子
【評】「君」は現実のだれかであり、春一番でもあります。待春の思いに、ほのかな恋心が重なります。