林桂選

2004年3月9日上毛新聞掲載


朝焼けに照る子供らの氷割り
高崎東高2年 鈴木 周吾
【評】早朝から氷を割って遊ぶ子どもたち。その氷が朝焼けに輝いているのです。子どもの姿を詩的に描いた感性が光ります。
北風で雲の流れがはやいこと
高崎東高2年 塚越 康平
【評】北風の厳しさを雲の流れの速さで言っています。単純化して一点に絞った表現で効果をあげるのも、短い詩形の方法です。
夏涼し廊下を歩く友の声
高崎東高3年 嶋方 槙子
【評】下五の「友の声」が効果的。声で、廊下をやって来る友を確認しています。大きな溌剌(はつらつ)とした声を思わせます。
海豚って夏の季語だと思ってたのに
高崎北高3年 原崎  愛
【評】夏休みのイルカショーなどで見るイルカがほとんど。当然夏と考えますが、冬の季語。冬のイルカを見るのはどんな人なのでしょうか。
にぎわいの空澄みわたる村祭り
利根商高3年 前原 和也
【評】祭りで空まで賑わいの雰囲気が漂う一方、秋の季節の清澄な感じもあるのです。収穫を感謝する秋祭りの感じがでています。
包帯ってなぜにこんなにもほこらしい
利根商高3年 山田 智久
【評】「繃帯を巻かれ巨大な兵となる」(渡辺白泉)を支えているのは包帯の不思議な存在感。山田君の包帯は、誇れるだけ軽傷でもあります。
寒に入りメールのハート増えてゆく
利根商高3年 中林 聡男
【評】恋の高まりがメールのハートマークを増やします。「寒に入り」は時間の推移を示しながら、恋の行方を冷静に見てもいる言葉です。