|
桜の木はだかで冬をしゅぎょう中
|
|
前橋桃川小5年 鯉渕 杏子
|
 |
【評】葉っぱも花もつけていない冬の桜の木は、修行中だったのですね。面白い見方です。大人には思い浮かびません。
|
 |
|
水たまりはった氷をふんでわる
|
|
前橋桃川小5年 高橋 裕子
|
 |
【評】「ふんでわる」は即物的な表現ですが、それだからこそ心をときめかせているのが分かります。これが俳句の表現の魅力でもあります。
|
 |
|
春の空冬の空より青いかも
|
|
前橋桃川小5年 小鮒 尚輝
|
 |
【評】立春と思っただけで、空の色が春らしく感じられたりします。春と思うだけで、空の色も青くなります。
|
 |
|
猫の春ねているだけで春の夢
|
|
前橋桃川小5年 白井摩莉愛
|
 |
【評】気持ちよさそうに寝ている猫の姿が思い浮かびます。暖かな日差しに寝ている猫の夢の中まで春の陽気なのです。
|
 |
|
食べるときカリッて言うよひなあられ
|
|
県立盲小5年 井口 美優
|
 |
【評】「カリッ」は、「ひなあられ」の言葉だったのですね。「いたい」かな、「ありがとう」かな。
|
 |
|
弟の寝息を聞いて日記書く
|
|
前橋若宮小6年 書上 奏
|
 |
【評】弟が寝静まってから書く日記。それは自分の世界との会話です。自分の世界と姉弟の世界の微妙な違いを書いていて、見事です。
|
 |
|
雪の足谷川赤城と歩みけり
|
|
榛東中1年 湯浅 直起
|
 |
【評】積雪を「雪の足」に見たてています。谷川岳、赤城山と歩いた雪の足跡が白く残っています。冬将軍の足跡を思い描いているのでしょう。
|
 |
|
星空が近く感じるぼうずかな
|
|
小野上中1年 唐澤 秀行
|
 |
【評】坊主頭になったくらいで、星空が近づくはずもりませんが、頭に感じるそれまでと違った感覚の誇張表現として愉快です。
|
 |
|
冷たさに星が透くなり冬桜
|
|
小野上中1年 唐澤 秀行
|
 |
【評】冬桜の季節の夜の冷たい空気を感覚的に表現しています。冷たい空気をとおして星の光が届きます。「透くなり」がみごと。
|
 |
|
春一番草木とともにゆれる空
|
|
小野上中2年 金子 裕明
|
 |
【評】最後の「空」が上手い。春一番の風の強さは、草木だけでなく空をも揺らすのです。視界も一気に拡がってゆきます。秀作です。
|
 |
|
乱暴に咲いてくれればいい桜
|
|
小野上中2年 佐藤 慶太
|
 |
【評】桜を「乱暴に咲いて」と言ったのは、恐らく佐藤君がはじめて。これで一面に咲き誇る桜の姿が思い浮かぶから不思議。秀作です。
|
 |
|
滑り台夕べの少年影青し
|
|
小野上中2年 佐藤 陽
|
 |
【評】「影青し」の感覚と、それがもたらす詩情。どこか西東三鬼の世界を思わせます。表現効果の計算ができるレベルに入ってきました。
|
 |
|
ラーメンをぺろんとたべたい今夜かな
|
|
小野上中2年 斉藤 美穂
|
 |
【評】「ぺろんと」が愉快。お腹がすいた今夜。ラーメンなら「ぺろんと」食べられそうなのです。この語感の中に食欲が感じられます。
|
 |
|
クリップが春の風をもつかまえる
|
|
小野上中2年 唐澤 聖美
|
 |
【評】おそらくクリップに止められた書類を春風が揺らしているのでしょう。それはクリップが春を捕まえた瞬間でもあります。
|
 |
|
風光るテニスコートの白い線
|
|
安中一中2年 佐藤 愛花
|
 |
【評】白く引かれたテニスコートのライン。「風光る」中で、一層まぶしく感じられることでしょう。秀作です。
|
 |
|
春一番ゴールネットがゆれている
|
|
安中一中2年 松橋 佑真
|
 |
【評】春一番が揺らすサッカーのゴールネット。春一番がシュートした見えないボールを思い描いて見ているのでしょう。
|
 |
|
音もなく天地をつなぐ夜の雪
|
|
水上中3年 相澤 康太
|
 |
【評】類想、類句が多い題材ですが、「夜の雪」の世界を、作者自身が感じ取っての言葉であることが貴重です。
|
 |
|
ねるまえについつい思う好きな人
|
|
水上中3年 清瀧 由衣
|
 |
【評】寝る前は自分の気持ちに向かい合う時間です。その時間に訪れる「好きな人」の面影。「ついつい」は自分の意志を超えて起こるもの。
|
 |
|
梅の花ここから始まる一年よ
|
|
富岡南中3年 佐々木正嗣
|
 |
【評】何を起点として物事を考えるかは、人様々です。今「梅の花」に一年の起点を見つけた佐々木君。それは何より決意でもあります。
|
 |
|
長閑な日犬の昼寝を見て笑う
|
|
富岡南中3年 岡田 和貴
|
 |
【評】「長閑(のどか)」は春の季語。春の昼寝を楽しむ犬。見ている人にも春は訪れています。「笑う」気持ちがそれです。
|
 |
|
風光るついでに心も光りだす
|
|
富岡南中3年 中野 弘樹
|
 |
【評】風が光る季節の中で、自然と光り出す心。どこからともなく湧く喜びの気持ちでしょう。「春」は「張る」です。
|
 |
|
僕の目に映るタンポポ大きいな
|
|
富岡南中3年 小板橋なつみ
|
 |
【評】「僕の目」には、小さな男の子が仮想されているのでしょう。その目に「タンポポ」は大きな花に映るはずです。
|
 |
|
まぶしさが心ではずむ春びより
|
|
下仁田東中3年 長瀬 裕美
|
 |
【評】「心ではずむ」が上手い。春の陽光のまぶしさが心に届くと、はずむのです。春の喜びが感じられる作品です。
|
 |
|
春がすみ受験の前の3年生
|
|
下仁田東中3年 永井 彩香
|
 |
【評】受験を控えた3年生。すでに春がすみの空は、いよいよ受験が差し迫っていることを告げているようです。
|
 |
|
桜咲き端のげたばこ空っぽに
|
|
藤岡小野中3年 堤 みずき
|
 |
【評】卒業生の使っていた下駄箱が空っぽの状態で、桜の花の季節を迎えているのです。卒業の感傷を、空っぽの下駄箱に見つけた視点は見事。
|
 |
|
雪解けて新たに生まれるひとつの道
|
|
藤岡小野中3年 武正 景子
|
 |
【評】雪に閉ざされれいた道。雪解けは新たに道が誕生することでもあったのです。もちろん、新たなスタートの道とも掛けています。
|
 |
|
桜のつぼみ私の未来は今から開く
|
|
藤岡小野中3年 小柳津希美
|
 |
【評】今から自分の未来は始まるのだという自祝する思い。春はそれにふさわしい季節です。桜のつぼみもそれを祝うようです。
|
 |