鈴木伸一選

2004年6月8日上毛新聞掲載


五月晴れ紙の飛行機吸い込まれ
高崎北高1年 小野里美穂
【評】「五月(さつき)晴れ」は本来、梅雨の晴間を言います。青空に、すっと消えてゆく白い紙飛行機の映像。若い人ならではの抒情(じょじょう)性を感じます。
硬球を五月の空に打ち上げる
高崎北高1年 岡本慎ノ介
【評】野球でしょうか、テニスでしょうか。とにかく硬球の乾いた音が、五月の空高く響きます。初夏の季節感が、いかにもさわやかです。
薄暗い五月の電車で君を待つ
高崎北高1年 新井 秀明
【評】「五月」というとさわやかなイメージが強いけれど、作者の心理状態によって、この句のように薄暗く感じられることもあるのです。
春風に押されて早し入学式
渋川工高1年 朝比奈泰寛
【評】中学を卒業したばかりと思っていたら、あっと言う間に高校の入学式。何だか春風に急(せ)かされているような感じがしたのでしょうね。