鈴木伸一選

2005年4月20日上毛新聞掲載


外出ると見上げたくなる春の空
渋川青翠高1年 入沢明日香
【評】外に出てみると、春の青空が頭上に広がっています。気持ちが落ち込んでいるようなときでも、その明るさやほがらかさに癒やされますね。
おだやかな心になれる春の空
渋川青翠高1年 木暮 麻証
【評】ここにも春の空の癒やし効果が、よくあらわれています。心が寒々とするようなことの多い昨今、こういう句に出合うとほっとします。
つくしんぼ眺める私は甘えんぼ
渋川青翠高1年 茂原 サヤ
【評】「つくしんぼ」と「甘えんぼ」。一種の言葉遊びですが、そこに作者の愛すべきキャラクターが見えてきて、ほほえみを誘われます。
のどかな日家の周りは春の山
渋川青翠高1年 村田 由佳
【評】うらうらと晴れた日。まわりを見回せば、どの山もすっかり春爛漫の趣。平凡ではあるけれど、それが何よりも大切に思える日です。
風向きで気分が変わる今日の午後
共愛学園高2年 栗原亜依美
【評】私が若いころ、この句に似た歌を歌ったアイドルがいました。今の若者の感性にも昔と通じる部分があることが分かり、ちょっと安心。
春のにおい私を包む新しい風
共愛学園高2年 大崎佳奈恵
【評】春らしい清新な気分にあふれた作品で、好感が持てます。すがすがしい香りに包まれ、さっそうと歩いてゆく作者が見えるようです。
何からかどこからくるのか春の匂い
共愛学園高2年 石原 麻美
【評】この句を読んで、思わず私も鼻をくんくんとしてみました。それだけで、心の中に暖かな春の気分が満ちあふれてくるから不思議です。
雪折や包帯を巻く朝の窓
北海道大2年 山野犠恵子
【評】雪の重みで枝が折れた木を見つつ、包帯を巻く人物。詩的な情景である半面、現実感はやや希薄。想像で俳句を作るのは、なかなか難しいことです。