|
友達と冬のニオイがするねと言う
|
|
高崎北高1年 須賀めぐみ
|
 |
【評】ここでの「冬のニオイ」は感覚的なもの。その感覚の共有を確認することが、何よりも心通じる友達であることの確認になるのです。
|
 |
|
立ちこぎの自転車今日も風をきる
|
|
高崎北高1年 小野里美穂
|
 |
【評】強い北風に向かい立ちこぎをする自転車。風を切り裂くためのものです。上州の空っ風の中を生きる姿。「きる」はその力の表現。
|
 |
|
ストーブで暖められた猫をふとんに連れていく
|
|
高崎北高1年 松田多希恵
|
 |
【評】ストーブの熱を蓄えた猫の毛。その熱をそのまま行火(あんか)として使わせてもらおうと、布団に連れてゆくのです。ユーモラス。
|
 |
|
携帯の画面いっぱいに空とじこめて
|
|
高崎北高1年 大友 涼
|
 |
【評】携帯の画面いっぱいの青。他に人が見れば何か分かりませんが、青空を映したものなのです。青空をいつも携帯していると思えば愉快です。
|
 |
|
寒いだろポケットの中の単語帳
|
|
高崎北高1年 小川 竜平
|
 |
【評】ポケットの単語帳は、勉強の戦友。「寒いだろ」と心で声を掛けます。「学問のさびしさに堪へ炭をつぐ」(山口誓子)を思い出します。
|
 |
|
いつぞやの化石を洗濯冬暮れる
|
|
高崎北高1年 村田 崇行
|
 |
【評】化石掘りのできない冬。以前に探した化石を洗濯しながら、春を待ちます。「冬暮れる」に、待つ心も反映しています。
|
 |
|
靴紐を直していたら蟻通り
|
|
渋川青翠高1年 西山 真希
|
 |
【評】靴紐(ひも)を結ぶために視点を小さな世界に絞ると、蟻(あり)を発見したのです。靴紐を結ぼうとしたことで見えた蟻。ここにも命の世界があります。
|
 |
|
電車から見える菜の花約5秒
|
|
吾妻高1年 鞠子 祐里
|
 |
【評】「約5秒」は短い時間ですが、それが電車から見えた時間となると短くはないでしょう。広く大きな菜の花畑の黄色が目に浮かびます。
|
 |
|
雪とけて未来の鏡は希望でいっぱい
|
|
吾妻高1年 竹淵 友美
|
 |
【評】「未来の鏡」という発想がいい。そこには、たくさんの希望が映し出されるのです。雪解けの春。新しい希望が生まれ、映ります。
|
 |
|
春の空雲一つない青の国
|
|
吾妻高1年 須崎 幸夏
|
 |
【評】雲一つない春の空。それが「青の国」という独立した世界に感じられるのです。石川啄木も十五歳の心を空の青に吸われたのでした。
|
 |
|
賢治忌や印刷工場に未だ灯あり
|
|
北海道大2年 山野犠恵子
|
 |
【評】宮沢賢治の忌日は九月二十一日。秋の灯をともして、夜遅くまで仕事を続ける印刷工場。きっと小さな工場でしょう。絶妙の取り合わせ。
|
 |