林桂選

2005年7月6日上毛新聞掲載


木苺のにおいの風でひと休み
吾妻高1年 都丸  希
【評】木苺(きいちご)の匂(にお)いが風に乗ってやってくる山道。しばしその風を堪能し、英気を養います。遠足かハイキング、山登りのひとこまでしょうか。
学校にメロンパンあり光琳忌
吾妻高1年 田村真奈美
【評】メロンパンと光琳忌の取り合わせに脱帽。メロンパンの意匠に光琳を感じたのでしょう。読者を戸惑いと驚きに誘う力があります。
緑茶のむ時の流れは緩やかに
渋川青翠高2年関  愛子
【評】喫茶のときのくつろいだ時間。時間が緩やかに流れているように感じるといいます。「緑茶」が効果的。日常茶飯の時間を演出。
ふうりんの音がひびき風のにおい
西邑楽高2年 角野 義朗
【評】風鈴の音が風を意識させます。そして、思いに沈んだ「我」を現実に引き戻すのです。現実に返った「我」が風の匂いを感じとります。
不死男忌や簿記の教師がチョーク折る
北海道大2年 山野犠恵子
【評】俳人秋元不死男は稀代(きたい)の苦労人。夜学の商業学校にも通いました。作品はそれを踏まえて。秋元を知らない俳人も多いだろうに、立派。