林桂選

2005年11月23日上毛新聞掲載


夜が明けてひどくブサイク雪だるま
桐生高2年 中村  駿
【評】冷える夜では雪だるまが解けて形が変わることはないので、元々不細工だったのです。作ったときの興奮がさめそれに気づいたのです。
コスモスとメガネがにあう女の子
吾妻高3年  関  円佳
【評】友人像でしょうか、自画像でしょうか。おとなしい文学少女が思い浮かびます。「メガネがにあう」の把握が生きています。
赤とんぼ赤い不思議を追いかけて
育英短大2年  長谷川沙織
【評】夕日を「赤い不思議」と表現したのでしょう。トンボの視点にたって考えています。短い一生。不思議な世界の中で生きているのです。
応援旗作る明日は運動会
育英短大2年 尾高 実和
【評】運動会準備の最後は応援旗作り。さまざまな準備で忙しかったのも整?い、ようやく応援することに気持ちが向かう余裕が生まれたのです。
ふるさとは市に合併すわたり鳥
育英短大2年 星野 沙耶
【評】「市に」ですから、星野さんのふるさとは市ではありません。どこかふるさと喪失に似た寂しい思いが漂っています。
吹割りのもみじ明かりの父母の家
育英短大2年  星野 沙耶
【評】前句の対極にこの句の世界があります。ここには懐かしいふるさとが、美しく広がっています。「父母の家」こそ究極のふるさとです。