林桂選

2005年12月7日上毛新聞掲載


澄んだ風過去につれてく金木犀
共愛学園高1年  中村  咲
【評】金木犀(きんもくせい)の香りがつくる一つの世界。その世界が過去の記憶を呼び覚ますのです。「澄んだ風」がそのアシスト役です。
ずかずかと我が心に入る木枯らしよ
共愛学園高3年 古木 麻菜
【評】「ずかずかと」に木枯らしの本質が表されています。その遠慮なさゆえに「心」にまで入り込んでくるのもまた木枯らしです。
風乾き金魚の空に張る氷
共愛学園高3年  小山 瑤子
【評】「金魚の空」は水面の比喩(ひゆ)。童謡には氷を天井に見立てたものがありますが、「空に張る氷」は透明感がある表現になっています。
香水のほのか日暮の競技場
北海道大2年 山野犠恵子
【評】競技場は陸上競技場でしょう。夕闇の中で、ほのかな香水の匂(にお)いに気づきます。練習が終わる時間。女子選手のものでしょうか。