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雨の日の夜の時間は森の中
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前橋桃川小5年 塩野 綾菜
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【評】雨の降る夜の時間感覚を「森の中」ととらえました。不思議な時間の進み方と、独立した空間の感じをうまくとらえています。
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登校班集合場所に落ち葉ふる
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前橋桃川小5年 高柳亜理沙
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【評】登校班の集合場所には木があります。その木が集合の目標になっているのかもしれません。その木に巡る季節。「落ち葉ふる」がいい。
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三日月をながめてはずむ家族の輪
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群馬国府小5年 森山美沙紀
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【評】「家族の和」ではなくて、「輪」。それこそ家族が輪になって月を見上げているのです。輪の動きが、家族の気持ちの表現になります。
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おそろいにしてもあいぞめ形がちがう
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群馬国府小5年 原田 真希
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【評】仲のよい友達とおそろいになるように絞りをかけて染めたのに、できあがってみると違っています。藍(あい)染めのおもしさと難しさ。
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登下校ポケットの中あったかい
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群馬国府小5年 石綿 優彦
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【評】ポケットの中が暖かいということは、外は寒いということになります。もう少し寒くなれば、手袋の登場になるのでしょう。
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勉強をしている時に葉が落ちる
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群馬国府小6年 上原茉里亜
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【評】葉が落ちるのを見ているなら、勉強に行き詰まっていそう。「葉が落ちる」が想像の世界のものならば、勉強ははかどっていそう。
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より道で秋の並木を眺めたり
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群馬国府小6年 斉藤 健太
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【評】この並木は銀杏(いちょう)でしょうか。「寄り道で」がおもしろい。遠回りでも、美しい秋の並木を選んで下校するのです。
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江ノ島の景色は全部青い海
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藤岡一小6年 山口 美穂
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【評】「全部青い海」という誇張表現が生きています。これで何が印象に残ったかが描けています。どの景色にも海が入っているのです。
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秋風と大いちょうがしゃべってる
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藤岡一小6年 町田 奈緒
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【評】大銀杏は、鎌倉八幡宮のものでしょう。風に揺れる銀杏のざわめきが、会話を思わせます。由緒のある銀杏。どんな話なのでしょう。
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江ノ電は銀杏トンネル入ります
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藤岡一小6年 黒沢 祐佳
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【評】江ノ電は、びっくりするような近さの家々をぬって走っています。「銀杏トンネル入ります」も、江ノ電ならではの表現。
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秋風にあたって笑うよ大仏が
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藤岡一小6年 笠本 玲樹
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【評】「笑うよ」がいい。大仏に読み取った表情は、読み取った人の気持ちでもあります。大仏に向かう笠本さんの気持ちが出ているのです。
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紅色に染まった木々はしゃべってる
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下仁田小坂小6年 柳沢 大祐
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【評】紅葉の色彩が持つ華やぎを、「しゃべってる」と表現。秋は、木々が一番おしゃべりな季節なのかもしれません。
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秋の空みんなと走るの最後かな
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沼田小6年 高野 恵美
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【評】運動会か持久走大会でしょう。六年生の行事は、学校最後の行事ばかり。どの行事をしても、いろいろな思いが去来します。
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江の島に秋風ふいて日が昇る
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榛東南小6年 臼井ひとみ
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【評】秋風が吹くのも、日が昇るのも、江の島という場所を得て、改めて新鮮な感覚でとらえることができるようになっています。
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山の色なぜか最近明るいな
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前橋芳賀中1年 笹川沙也香
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【評】色彩に着目するのではなく、「明るいな」と明度に着目して山を表現するのは斬新。確かに夏より秋の山の方が明るいでしょう。
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風がふき落ち葉がまう空すんでいる
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中之条中1年 本多 祐子
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【評】一句に一動詞で整理するとよいと言われます。ただこの句のように「ふく」「まう」「すむ」が一連の世界の変化を表すこととなれば別。
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かまきりもみんなと一緒に稲を刈る
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中之条1年 唐沢 由弥
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【評】稲刈りの時期に、カマキリを目にすることが多いのは確か。「蟷螂(とうろう)の斧」も稲刈りができそうな感じがしますね。
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自転車のうしろにトンボが座ってる
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妙義中2年 並木麻由美
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【評】「座ってる」がいい。止まったところが後部座席であったために、後ろに乗せた友だちのような感覚が生まれている言葉だからです。
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カーテンが俳句の材料隠してる
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小野上中2年 飯塚 泰志
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【評】外の景色を「俳句の素材」としたところがみそ。病床の子規は当時珍しいガラス戸を虚子に贈られ、外の世界を俳句に詠んだのでした。
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台所静まりかえり水の音
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小野上中2年 野村 楓
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【評】「水の音」が効果的。静寂をより強調するような水の小さな音。それはいかにも台所の音でもあります。夜の無人の台所でしょう。
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消しゴムの角も丸まる寒さかな
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小野上中2年 野村 翔平
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【評】角の丸まった消しゴムが、寒さで丸まった姿に見えるというのです。ユーモラスな見方で、寒さを表現しています。
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林檎むく皮がつながる夜長かな
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小野上中3年 中沢 奈美
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【評】「林檎(りんご)」「夜長」と季重なりですが、ゆったりとした情感を演出しています。「つながる」にも充足感が感じられます。
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青空に寒さつき刺す外へ行く
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六合中3年 山本 栞
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【評】晴れ上がった朝の寒さ。「突き刺す」がよく表現しています。それゆえに「外に行く」ことは辛く、覚悟が必要です。
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美しき初冬の夜の星々よ
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六合中3年 山本 信介
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【評】俳句で「美しき」と説明すると、読者のイメージが広がりません。しかし、この句はそれでリズムを作ることに成功した希有な例です。
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空の雲見上げていると咳ひとつ
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妙義中3年 柳世 葵
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【評】「咳(せき)ひとつ」を、「作者」のものとするか、他の人のものとするかで、句の解釈が違ってきます。後者の解釈の方がドラマ性は出ます。
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