鈴木伸一選

2006年1月18日上毛新聞掲載


パリパリとせんべいみたいはっぱたち
前橋桃川小5年 中島  良
【評】乾いた落ち葉を踏んだら、パリパリと音を立てて、砕(くだ)けてしまったのでしょう。「せんべいみたい」は、なかなかおもしろい着想です。
おもちつきマフラーしてたらくっついた
草津小6年 山田 明奈
【評】ユーモラスに描かれていますが、実際は大変だったことでしょう。もっとも、そんな失敗も後で振り返れば、いい思い出なんですよね。
全員で冬を味わい遊び回る
六合中1年 小島進之助
【評】クラス全員、あるいは学校中の生徒全員であるかもしれません。いずれにせよ、「全員」という一語に、強い連帯感がうかがえます。
一枚の紅葉が川を流れ去る
渋川北中1年 中島 康孝
【評】「流れ行く大根の葉の早さかな」(高浜虚子)と同様、題材を絞り込み、端的に描いたことで、印象がとても鮮明な俳句になりました。
大晦日明日一番に走りだす
渋川北中1年 樋田 純一
【評】年明け早々、トレーニングで走ろうということでしょうか。実際に走るのではなく、新年を迎える弾んだ気持ちの表れと読んでもいい。
冬なのにアイスコーヒー飲んでいる
渋川北中1年 阿部佑衣奈
【評】私も冬にアイスコーヒーを飲むことがよくあるので、この句に出合い、思わず笑ってしまいました。ユーモラスな書き方も好ましい。
冬近し夜空の星であふれてる
渋川北中1年 大竹 美雪
【評】「夜空の星で」の前に、「私の胸の中は」という一節を入れて読んでみたい。夢や希望をいっぱい持って、毎日を過ごしてくださいね。
雪の地面私の大きな自由帳
中之条中1年 柳田 聖子
【評】積もったばかりの雪の上にはまだ、だれの足跡もありません。このまっさらなノートに、作者はどんな夢を描いてゆくのでしょうか。
夕焼けに一人で見ている未来地図
高崎片岡中2年 佐藤 純輝
【評】佐藤君の前に広がる無限大の未来地図。時には一人で、また時には仲間と手をたずさえ、この地図を頼りに思う存分、旅してください。
足あとを地面に残し年惜しむ
高崎片岡中2年 中里 麻利
【評】地面に残した足跡は、中里さんの一年間の歩みを物語るものでしょ?う。行く年を振り返り、来る年に新たな一歩を記してゆきましょう。
雪の中百円玉がおっこちた
沼田西中2年 町田 恭章
【評】こうした些細な出来事も、俳句で表現されると、たいへん印象的なものになります。町田君のうろたえぶりも、自ずと想像されますね。
椅子揺らしそよ風になる日曜日
小野上中2年 樋田 亮介
【評】そよ風が心地よい日曜日です。腰かけた椅子をたわむれに揺らしてみたら、何だか自分も風になったような感じがしてきたのでしょう。