鈴木伸一選

2006年2月8日上毛新聞掲載


かたぐるまとどくといいなオリオンざ
前橋清心幼稚園年少 品川 瑞華
【評】かたぐるまをしてくれたのは、お父さんかな。冬の夜空にかがやくオリオンざを見上げ、瑞華さんたちはどんな話をしたのでしょうか。
ゆきぐもりかれきにとりがとまります
沼田薄根幼稚園年長 あおきりょうこ
【評】雪雲がおもくたれこめた冬の日。鳥もかれ木にとまり、さむさをじっとこらえているようです。そのようすを、よくかんさつしました。
はついちではじめてかっただるまさん
前橋城東小1年 なかむらあやね
【評】あやねさんは、ダルマをはじめて自分で買ったのです。すこしおとなになったような気がして、きっとうれしかったことでしょうね。
はつもうでおおきなねがいかなうといいな
前橋城東小1年 すわ りん
【評】子どもは子どもらしく、えんりょなどしないで、できるだけ大きなお願いをするほうがいい。がんばれば、きっとゆめはかなうからね。
ふゆになり大きなかぜがふいてくる
前橋大室小1年 かんざわりょう
【評】「大きなかぜ」という言いかたがおもしろい。おもしろいだけでなく、からだで感じる風のつよさが、とてもよくつたわってきますね。
きた風さんわたしの前でおどりだす
前橋大室小2年 はぎ原木の香
【評】北風が、急に強くふいてきたのでしょう。それを寒くていやだなあ、と思わず、おどり出したと感じた木の香さんの心がすてきです。
こたつでねみかんを食べてねむくなる
前橋大室小3年 星野菜々子
【評】こたつにミカンという取り合わせはよく見かけますが、この句は、「ねむくなる」と言ったことで実感が出て、おもしろくなりました。
ゆれながら木たちもみんなくしゃみしてる
前橋大室小4年 田中 みほ
【評】冬の風にゆれる木々の寒そうな姿を、「くしゃみ」という言葉であらわしたのでしょう。花粉を飛ばすスギの様子とも読めますが。
きがふるがっこうついてもまだゆきだ
高崎国府小1年 つか田みきゆ
【評】ふりつづく雪におどろいているみきさんの気もちが、「まだ」というひと言によく出ています。はいくには、こういうおどろきが大事。
おしょうがつちきゅうもひとつとしをとる
高崎国府小1年 うらのひろむ
【評】「ちきゅう」を思いうかべたひろむくんの想像(そうぞう)力の大きさに、びっくりしました。ところで地球は今、四十六億(おく)歳くらいらしいですよ。
雨あがりくものネットはかんらんしゃ
高崎国府小2年 かさはらまい
【評】クモの巣についた雨つぶが、キラキラ光っています。そのようすを「かんらんしゃ」と感じたまいさんは、すてきな心のもちぬしです。
白さいが光っているからおいしそう
高崎国府小3年 村田そうま
【評】国府近辺では、ハクサイをたくさん作っているんですね。この句も、冬の日をいっぱいにあびた畑のハクサイを、よく観察しています。
しもばしらふむのにむちゅうでおいていかれた
高崎国府小3年 後閑 将行
【評】いっしょに歩いていた家族か友だちが、先に行ってしまったのでしょう。でも、しもばしらをふむのって楽しいから、しかたないよね。
ろうばいはやさしい風とはなしてる
高崎城山小2年 目崎 真平
【評】「やさしい風」という言葉が、ロウバイのあわい黄色の花によく合っています。真平君のやさしい心が発見した、やさしい風でしょう。
おでんはねおどってまつりだ楽しそう
高崎城山小2年 鈴木  葵
【評】ぐつぐつ煮(に)えたおでんが、おなべの中でおどっているようすを、「まつり」という言葉で表現。読者の心もおどり出すような言葉です。
2006年オセロで勝ってむかえたよ
前橋桃川小3年 木村 春穂
【評】ゲームに勝って、気分よく新年をむかえられましたね。負けた相手の気持ちも考えられるようになると、もっといい年になるでしょう。
ゆきだるまいまもにっこりわらってる
伊勢崎あずま北小4年 小日向伸太
【評】「いまも」という言葉で、雪ダルマが長い間、とけずに立っていることが分かります。寒い日が続いた、この冬ならではの俳句ですね。
初雪はえがおがいっぱいかけて行く
みなかみ古馬牧小4年 石坂 卓馬
【評】初雪に心はずませるみんなの笑顔が、目にうかびます。同時に、雪のひとひらひとひらが笑っているような気もして、楽しくなります。
冬の夜ぼくは星みてぴかぴかだ
みなかみ古馬牧小4年 林  裕雅
【評】冬の夜は、一年の中でも特に星がきれいに見えます。「ぴかぴか」は星のかがやきであると共に、裕雅君の心のかがやきでもあります。
雪がふる学校へいくまでつもってる
みなかみ古馬牧小4年 川端 千宏
【評】雪のいっぱいつもった道を歩いて、学校へとむかいます。学校に着くと雪かきがされていて、何となくほっとした気分になったのかな。
雪つもりきれいな色の赤城山
前橋城南小4年 前島  陸
【評】雪のつもった山の色って、どこか神秘(しんぴ)的で、ほかの季節にはない美しさですね。そんな美しさに対する感動が、すなおに出ています。