林桂選

2006年3月15日上毛新聞掲載


鉄塔も悲鳴を上げる帰り道
     太田高2年  齋木俊太郎
【評】鉄塔を響かせる「もがり笛」。送電線が風を切っているのでしょう。いかにも上州の冬の空っ風という感じです。
口溶けのチョコレートの味冬来る
     高崎北高3年 青柳麻友香
【評】高級チョコレートが季節限定で発売されるのは冬。新しい季節感です。これから口溶けチョコレートは冬の季語になるかもしれません。
今生きる影を消したる秋の蝉
    高崎北高3年  中島 洋平
【評】蝉の死を書いたとも読めますが、飛び立つことで蝉の影が消えたと読んだ方がおもしろそうです。蝉の命のはかなさも感じられます。
梅の木の香り立つなり日の光
    高崎北高3年  楠本 綾香
【評】春の日ざしの中で、香りを強める梅の花。「梅の花」ではなく、「梅の木」という言い方が、その強さと広がりを感じさせます。