林桂選

2006年3月1日上毛新聞掲載


さむいよるふとんの中でだんご虫
前橋市宮城小1年 足達 日和
【評】さむさで丸まった自分のすがたを、ダンゴムシに見たてました。自分をダンゴムシとして考えられるのは、むずかしいことです。
つうがくろはんちょうい一ばんまえでさむそうだ
前橋山王小1年 はぎわらめ生
【評】一番前の班長は、みんなの風よけにもなっているのです。冬の登校班のようすを、班長のすがたをとおして、えがいています。
ゆきがっせんたまをつくるときあてられた
前橋山王小1年 おち合すずね
【評】雪のたまを作るときは、いかにも無防備。そこをねらわれたのです。このように具体的に書くと雪合戦がおもしろくえがけます。
こたつにははいらないおかあさんはしごと中
前橋山王小1年 伊藤 亜実
【評】みんなこたつに入って、ぬくぬくとくつろいでいるときも、家事でいそがしいお母さん。伊藤さんの感謝の気持ちが句になりました。
青空に大きくうかぶおれのたこ
前橋山王小1年 海上 拓巳
【評】「おれのたこ」にほこらしい気持ちが、感じられます。大きく、高くうかんでいるたこ。みんなに見てほしいのです。
しもばしらサクサクするよミルフィーユ
前橋山王小1年 坂西 慶子
【評】ふむとサクサクくずれるしもばしら。そのサクサク感から、「ミルフィーユ」を連想しました。なかなかできないおもしろい連想です。
パパはどこへいっても本をよむ
前橋山王小1年 蟻川菜々子
【評】本の大好きなパパ。どこへ行くのにも、本を持ってゆきます。もっと遊んでほしいという思いと、えらいなあという思いの両方です。
たいふうでいえのしゃらの木ふるえてる
高崎国府小1年 中ざわけいた
【評】シャラは夏ツバキともいいます。枝をはるというよりも、まっすぐ上にのびます。台風の強風にゆれるのが目につくのもわかります。
きんぎょばちまめがはいってたべちゃうよ
高崎国府小1年 すみやまほ
【評】豆まきのようすを、こんな見方で書いたのは初めてです。金魚ばちに入ってしまった豆。金魚も突然の大きなエサにびっくりです。
どんどやき大きくドカンはじけるだるま
前橋桃川小2年 たけいりお
【評】どんど焼きの火の中で、大きな音をさせてはじけて燃えるダルマ。おどろいた気持ちが「ドカン」に書かれています。
どんどやきダルマが白くへんかしたよ
高崎国府小3年 山中 麻緒
【評】どんど焼きの火の中で燃えて、赤いダルマが白くなってゆきます。どんど焼きの火の中をよく観察してできた句です。
くすの木は足でけると雪落ちる
高崎国府小3年 中町ゆうすけ
【評】木をけって雪を落とす遊びは、一度はだれもがするでしょう。その木が、中町くんの場合「くすの木」。具体的に書いているのがいい。
黒板は顔にイタズラされてるよ
前橋桃川小3年 斉藤  彩
【評】黒板を顔に見たてました。すると、黒板に字を書くのは、顔に字を書いていることになります。何を書いてもイタズラ書きになります。
ジャングルジム友だち小さくなっていた
前橋桃川小3年 吉田 彩愛
【評】「小さくなっていた」は、ジャングルジムの高さを言うための誇張表現です。一番上に登った友だちが小さく感じるほどの高さなのです。
友だちといっしょにうたうと声かわる
前橋桃川小3年 村山えおり
【評】「声かわる」がおもしろい。合唱するときの声の変化をいっているのでしょう。みんなの声が合わさったときの声の不思議さ。
ぶらんこは空へと向かう列車みたい
前橋桃川小3年 西本 小梅
【評】「列車みたい」がおもしろい。ブランコは、列車のように長く連結されていませんが、イメージの中では自分の後に続いているのです。
冬の夜まゆ毛みたいなカシオペア
みなかみ古馬牧小4年 はらさわしゅん
【評】たしかにカシオペアはまゆ毛のかたちに見えますね。MやWと見るのと、形の上では大きく変わりませんが、まゆ毛の方がずっと楽しい。
冬の日はあそびどうぐがあふれてる
みなかみ古馬牧小4年 斉藤 雄太
【評】「あそびどうぐ」とは、雪や氷やツララのことでしょう。スキーやソリを加えてもいいかもしれません。遊びが増えるという発想がいい。