鈴木伸一選

2006年3月22日上毛新聞掲載


伊勢崎殖蓮二小1年 いたがき七みマラソンの日はしっているときいきがもれた
   ふた葉の部 
【評】自分でもおどろくほど大きないきをはきながら、いっしょうけんめいに走っている七みさんのようすが、とてもよくつたわってきます。
   前橋山王小1年 たかはしれおおとうとはなんでも見つけてきちゃうまほうつかい
 【評】外では木の実とか石ころとか、家ではしまってあった古いものとか、とにかくいろいろ見つけてくる、ふしぎなおとうとさんなのです。
   前橋山王小1年 みや下のどかそうちゃんのかわいいかわいいくしゃみでた
【評】そうちゃんは、のどかさんの小さなきょうだいかな。「かわいい」のくり返しに、おねえさんらしい気もちが、とてもよく出ています。
  前橋山王小1年 みねぎしあやかはるよこいはやくスカートはきたいな
【評】「春よ来い」という童どうよう謡はとてもかわいい歌で、わたしは大すきです。あやかさんの言うとおり、はやくあたたかくなるといいですね。
  前橋山王小2年 みやざきまなみ春風は春をむかえるてんしだよ
【評】春風のあたたかさを、「天てんし使」にたとえたまなみさん。なるほど、と思います。この地上は、もうすぐ天使たちでいっぱいになります。
  前橋山王小2年 石いゆうたろうたのしいな学校に雪がふって雪がっせん
【評】家にも公園にも雪はふったのですが、学校が大すきなゆうたろう君には、やはり「学校」にふったということが一番うれしいのですね。
    前橋山王小2年 すとう成行なつやすみまいにちうみにはいろうよ
【評】海はいいなあ、ってわたしも思います。群馬は海がないから、よけいにそう感じるのでしょう。成行君のゆめが、かなうといいですね。
   高崎国府小2年 かたのゆうきしもばしらふむとつまさきおどってる
【評】しもばしらをふむのって楽しいよね。ザクザクした感かんしょく触がつたわってきて、何だかつま先がおどってしまうような気がしたのでしょう。
    高崎国府小2年 金いあや花花のにおいわたしをよぶ声がする
【評】花のいいにおいが、あや花さんのところまで流れてきます。うっとりしていたら、だれかのよぶ声がします。花の妖ようせい精かもしれません。
    高崎国府小3年 高橋 玲美チューリップずっと見てるとゆれている
【評】俳句は、観察と発見が大切。この句では、「ずっと見てると」が観察で、「ゆれている」が発見。どちらも、しっかりできていますね。
春の朝まだしも柱は生える気だ
    高崎国府小3年 小柴 直也
【評】「生える気だ」という、ちょっぴり文句を言いたそうな口ぶりがおもしろい。こよみの上では春になっても、まだ寒い日はあるものね。
 高崎国府小3年 くわ野りょうすけチューリップつぼみが開いて春がふる
【評】「春がふる」というのは、りょうすけ君のすてきな発見。私の頭の上にも、あたたかな日の光がふってくるような気がしてきました。
    高崎国府小3年 後閑ゆりなしも柱いっしょに出て来てあそぼうよ
【評】しも柱を、まるで友だちみたいに表現しているのがいい。自然の中のいろんなものと友だちになれるのは、とてもすてきな才能です。
    高崎国府小3年 小林 愛美春の山大きく見えてきれいだな
【評】春になると草木がぐんぐん成長し、それにつれて山そのものもふくらんでくる感じがします。大きく見えるのは、そのせいでしょう。
    前橋桃川小3年 須田 慶貴友だちが明るく感じる休み時間
【評】休み時間に、みんなで遊んでいるのです。その楽しさが慶貴君の気持ちを明るくし、友だちのようすも明るく感じさせたのでしょうね。
  前橋桃川小3年 あさみりょうまねてるときゆめをみてたらとりがなく
【評】半分は寝ていて、半分は目ざめているといった感じ。季節は書かれていませんが、この気持ちよさは、やはり春がふさわしいですね。
 伊勢崎あずま北小4年 黒沢  結夕やけでおなかがすいてかえります
【評】空を美しくいろどる夕やけを合図に、みんなそれぞれの家に帰ってゆきます。いっぱい遊んだ後は、おいしい夕ごはんが待っています。
 みなかみ古馬牧小4年 石坂 卓馬春がきて山のさんさくたのしみだ
【評】春の山を散策すると、きっといろんなものに出合えるでしょう。卓馬君がふだんから自然に親しんでいることが、よくわかりますね。
 みなかみ古馬牧小4年 星野 大空春がきたみんなあわててじゅんびする
【評】植物も動物も人間も、みんな春のおとずれにワクワクドキドキ。そんな気持ちが、「あわててじゅんびする」に込められていそうです。