林桂選

2006年4月12日上毛新聞掲載


祖母が逝き山はだんだん眠りだす
渋川青翠高1年 山崎奈緒子
【評】お祖母さんが亡くなって以後の日々。その冬に向かう日々を心に刻む思いが「山はだんだん眠りだす」という表現になったのでしょう。
蝉の声体に響きあと二日
高崎北高3年 青柳麻友香
【評】「あと二日」が何かは判然としません。夏休みの残りと考えるべきかもしれませんが、もっと大切な残り二日として読むこともできます。
満ち足りて無となりし我春日かな
青山学院女子短大1年 中澤 愛美
【評】満ち足りた思いは「無」の感覚に近い。どこか深淵で、哲学的でもありますが、春日を浴びての小さな幸福感であることが、この句の命。