鈴木伸一選

2006年4月5日上毛新聞掲載


チューリップいつものとこに顔だした
高崎国府小5年 志村竜之介
【評】毎年、決まった場所に咲いているチューリップが、今年もまた芽を出してくれました。何だか、ありがとうって言いたくなりますね。
春の風深く吸いこみ校門へ
松井田西横野小6年 村井田紗帆
【評】卒業式の朝でしょう。さびしさをふりはらうように春風を深く吸いこみ、背筋をぴんと伸ばして校門をくぐってゆく村井田さんです。
カレンダーヒラリとめくり春をよぶ
中之条中1年 今泉かおり
【評】カレンダーをめくる軽やかなしぐさが、いかにも待春の思いにふさわしい。作者の心の中には、すでに春がおとずれているようですね。
春の道昔話で見た景色
中之条中1年 山田晏寿美
【評】どこか懐かしく、心がほっとするような風景が、私の脳裏にも広がってきます。昔話というのは、日本人の心のふるさとですものね。
青空は風が奏でる楽譜かな
中之条中1年 山崎 明菜
【評】青空を吹き渡る風が奏でる音楽。その音色も調性も、春夏秋冬でそれぞれ違うでしょう。今日、山崎さんはどんな音楽を聴きましたか?
コートにも桜の花びらこないかな
中之条中1年 中沢 萌香
【評】テニスコートかと思いますが、サクラの花びらが舞う中の部活というのも、なかなかいいですね。中沢さんの願いが、叶かないますように。
春一番気持を込めて俳句読む
渋川小野上中1年 中橋 重明
【評】俳句を読むときは、作者の気持ちになって読むのが一番大事。自分で詠む場合も、気持ちを込めて丁寧に詠むことが、やはり大事です。
春の風ろう下を走る昼休み
渋川小野上中1年 唐沢久美子
【評】学校の廊下を吹き抜けてゆく春風。「走る」とあるので、やや強めの風かと思いますが、春到来に弾む心には、それもうれしいのです。
保健室通ると香る蘭の花
渋川小野上中2年 丸山  唯
【評】学校生活の中に「詩」を見出した丸山さんは、いい感性の持ち主です。ランの花のかぐわしい香りに、心身共に癒やされる気がします。
国道の白線光る春休み
渋川小野上中2年 樋田 亮介
【評】明るい日差しに、国道に引かれた白線が光って見えます。それだけで、何となく春の雰囲気を感じるから、俳句とは不思議なものです。
教室でぞうきんゆれる春の風
渋川小野上中2年 野村 詩織
【評】三学期も終わりに近づき、きれいに掃除された教室。すがすがしい空気の中で、干してあるぞうきんも新学期を待っているようです。
新調の香り漂う春休み
渋川小野上中2年 斉藤 俊介
【評】新学期に備え、春休みの間にいろんなものを新調したりします。それと共に、気持ちそのものが新しくなるということもあるでしょう。
朝起きて草木の香り鳥の声
六合中2年 湯本 真弓
【評】何とすがすがしく、気持ちのいい作品でしょう。季節は書かれていませんが、この気持ちよさには、やはり春がふさわしいと思います。
手のひらに春の光があふれだす
六合中2年 小島亜希穂
【評】春到来の喜びが伸び伸びと詠うたわれており、好感が持てます。手のひらからあふれ出た光は、程なくこの地上を覆いつくすことでしょう。
外へ出て春の便りを受け取った
六合中2年 山口 清華
【評】外へ出て自然の中に身を置くことで、季節の移ろいもはじめて実感できるのでしょう。風も日の光も草木の香りも、みな春の便りです。
青い春小さく大きく夢を見る
高崎群馬南中2年 間  英梨
【評】小さかろうと大きかろうと、若いときに夢を持つことは、何よりも大事です。その夢の実現に向かって、毎日を大切に生きてください。