鈴木伸一選

2006年6月14日上毛新聞掲載


ゼリーから透けて見える母の背中
前橋西高1年 木滑  光
【評】母に対する子の思いは、言葉にできるような単純なものではないでしょう。掴(つか)みどころのない「ゼリー」が、それを暗示している感じ。
寝転がり見上げて見た夏大きくて
前橋西高1年 和田まゆこ
【評】「夏の空」の「空」を省略し、「夏」という季節そのものを見上げたように表現したのがいい。これで、イメージが格段に広がります。
夏木立見上げて空の青さ知る
高崎商科大附高3年 町田  望
【評】すらりと伸びた木立に惹(ひ)かれ、作者は頭上を振り仰いだのでしょう。そして、その視線の先に、驚くほど青い空が広がっていたのです。
今日もまた羽蟻払いてペダルこぐ
前橋育英高3年 永井 聡子
【評】初夏に繁殖期を迎えたアリには翅(はね)が生じ、群れをなして飛びまわります。自転車で登下校する作者にとっては、いささか迷惑なほど。