鈴木伸一選

2006年10月18日上毛新聞掲載


金木犀去年もここで足止めた
前橋西高1年 江田アケミ
【評】キンモクセイの甘い香りに、足を止めた作者。そう言えば、去年もここで同じようにしたなあ、としみじみ思い出されたのでしょう。
昼休み弁当開けたら栗ご飯
伊勢崎商高2年 鹿沼 香織
【評】こういう純和風のお弁当も、いいものですよね。作者にしたら想定外だったのかもしれませんが、こんな想定外なら大歓迎でしょう。
セピア色の秋風ふやす空模様
育英短大2年 野巻 円香
【評】秋風は「色なき風」とも言い、華やかさのない、さびしさが身にしみ透るようなイメージが感じられます。「セピア色」も同様ですね。
月祀る戦火くぐりし文机に
育英短大2年 飯田 美晴
【評】月見を、「月祀(まつ)る」とも言います。戦火をくぐり抜けてきた古い文机に置かれた、ススキや団子。そこに、作者の惻隠(そくいん)の情を感じます。