林桂選

2006年11月22日上毛新聞掲載


がくどうにこすもすがあってみせたいよ
高崎国府小1年 はちすかゆうか
【評】学童保育所の庭に咲いたコスモス。「みせたいよ」には、その美しさを感じての、豊かな心の動きがあります。
あさがおさんこれからちゃんとせわするね
高崎国府小1年 むらたあすか
【評】アサガオの水やりを忘れて、しおれてしまったのでしょう。心の中で誓いの言葉をアサガオにかけます。きっと元気になるでしょう。
こうていできいろいぼうしあそんでる
前橋桃川小1年 ほしのるな
【評】遊んでいるのは黄色いぼうしをかぶった一年生。でも、黄色いぼうしそのものが、遊んでいるようにも見えてきます。
おつきさまのなかきらきらひかるすべりだい
伊勢崎殖蓮二小1年 クサカ・ステファニー
【評】月に照らされてすべり台が光っているとも、月の中にウサギではなくてすべり台を見つけたとも読めます。後者ならゆかいな発見。
秋風が走れ走れとおしてくる
高崎国府小2年 八木ゆうと
【評】秋風を背に受けながら、「はしれはしれ」という風の声を聞きました。背を押されると、相手が人間でなくても感じることは同じです。
ぶらんこであかとんぼとこんにちわ
高崎城山小2年 さとうらら
【評】ブランコを大きくこぐと、赤トンボとごあいさつできるというのです。赤トンボの飛んでいる高さも想像できて、たのしい句です。
海の雨カモメたちだけおよいでる
前橋山王小3年 石川 卓実
【評】雨の降る海。人影も船影も見あたらない中に、カモメだけは海に浮かんでいるのです。「生きる」ことの意味の大切な発見があります。
秋になりマラソンれんしゅうはじまったよ
前橋山王小3年 栗原 沙幸
【評】校内の持久走大会が近づくと、練習も始まります。「秋」は、いろいろな場面で感じますが、学校生活の中では、これも「秋」です。
秋の風おいかけっこをおうえんする
前橋山王小3年 手島 彩乃
【評】秋風の中での追いかけっこ。追われる子も追う子も、風に押されています。「おうえんする」がいい。楽しいようすが感じられます。
夏の風ふいてもふいてもまだあつい
前橋桃川小3年 大さわてつや
【評】風が暑いというのか、風は涼しくて暑さをやわらげようとしているというのかで違ってきますが、風は吹いても吹いても終わりません。
帰り道おしろい花の種をとる
高崎堤ヶ岡小4年 山田 彩子
【評】おしろい花は夕刻に花を咲かせます。その種の中が白粉のようなので、この名前があります。野草と遊びながらの楽しい下校です。
どんぐりがぼうしをかぶって秋むかえ
下仁田西牧小4年 神戸紗季理
【評】「どんぐりのぼうし」を、おしゃれの道具と見ているところがおもしろい。ドングリは、ぼうしをかぶって、正装で秋を迎えるのです。
やまぼうし赤い実たくさん実ったよ
前橋山王小4年 植田千菜実
【評】山にもありますが、このヤマボウシは庭のものでしょう。ミズキのような白い花を咲かせ、ミズキと同じような赤い実を付けます。
秋風がふくろけとばしあそんでる
前橋山王小4年 栗原 有加
【評】秋風に吹き飛ばされる袋。スーパーのレジ袋でしょうか。それを秋風がサッカーをして遊んでいるかのように見たてました。ゆかい。
実った田んぼでかかしが少しつかれてる
前橋粕川小4年 戸塚将太郎
【評】しっかりと田んぼの見張り番をしてきたかかし。刈り入れ間際の田んぼで、さすがに疲れたようすになっているのです。お疲れさま。