鈴木伸一選

2006年11月1日上毛新聞掲載


夏の夜星がきれいな銀の道
前橋大胡小5年 斉藤 瑞生
【評】星がきれいな夏の夜。目の前の道が銀色に明るく光って、何だかそのまま星空へと続いているみたいに感じられたのかもしれません。
ひがん花お米のそばで見ているよ
高崎国府小5年 市村友香莉
【評】国府小は、授業でお米作りをしているそうです。あぜ道に咲いたヒガンバナも、お米の出来具合を気にかけているように見えますね。
友達とよくあう日だね祭りの日
富岡南中1年 岩井 克生
【評】友達と出会うたびに言葉を交わしながら、楽しそうに歩いてゆく岩井君の姿が、目に浮かぶようです。祭りって、本当にいいものです。
梨とぶどう家族で笑い食べました
富岡南中1年 斉藤 唯子
【評】日常の一こまを、あたたかな愛情を込めて描きました。ささやかな幸せだけれど、本当に大切なのは、むしろこうしたことなのです。
秋日和朝の光が目にしみる
渋川小野上中1年 唐沢 達也
【評】おだやかな秋の朝です。透き通った陽光が、すうっとしみ込んでくるような感じがして、唐沢君は思わず目をしばたたいたのでしょう。
空絵の具雲の白色混じり無き
渋川小野上中1年 斉藤 結衣
【評】「空絵の具」を「からえのぐ」と読まれないよう、「空の絵の具」と表記する方がいいでしょう。内容的には、すがすがしくて好印象。
秋らしく光っているやシャープペン
渋川小野上中3年 飯塚 泰志
【評】中学生にとって身近な文房具から、秋の季節感をとらえたのがいい。どこかひんやりとして、透き通ったような光が目に浮かびます。
青空に舞った光が秋を呼ぶ
渋川小野上中3年 宮 ゆりか
【評】夏の終わりごろの、どことなく透明感をたたえた青空に舞う光。季節による自然の表情の微妙な変化を、繊細な感覚でとらえました。
帰り道世間話をする蜻蛉
渋川北中2年 武本 莉奈
【評】トンボは、人の近くを意外と平気で飛んだりします。その分、親しみが湧(わ)き、「世間話」という発想にもつながっていったのでしょう。
渡り鳥一緒に未来が飛んで来る
渋川北中2年 岩渕 春香
【評】渡り鳥から「未来」への連想に、感心させられました。明るい未来を信じる作者の前向きな意志に、ちょっと勇気づけられた感じです。
秋だけは一人になった気分です
渋川北中2年 久保 貴裕
【評】人は誰しも、心のどこかに孤独感を隠し持っているように思います。秋は、それがふっと表に浮かび上がってくる季節なのでしょうね。
自転車に新しき風乗せてゆく
中之条中3年 小渕 恵里
【評】新品の自転車に乗っての感慨でしょうか。自分の心の中に芽生えたすがすがしい思いが素直に書きとめられており、好感が持てます。
遠き日の思い出見せるコスモスよ
前橋大胡中3年 神尾あすか
【評】風に揺れるコスモスは、私達にいろんなことを思わせます。この句は、「思い出」の内容をもう少し具体的に書く方がよかったですね。