林桂選

2006年12月20日上毛新聞掲載


さわるなとくりのみつんつんいばってる
群馬大附幼稚園年中 品川 瑞華
【評】栗のイガのようすを「つんつんいばってる」と感じたのです。大切な実を守るために、まわりに近づくなと言って頑張っています。
一年がかえりみちでへびをさわってる
前橋桃川小1年 いしだたかや
【評】生きたヘビでしょうか、死んでいるのでしょうか。恐いもの知らず、好奇心いっぱいの一年生にヘビもかないません。
あめなのにあめがぴかぴかひかってる
前橋桃川小1年 めぐろけいすけ
【評】「なのに」の使い方が、おもしろい。「ぴかぴかひかってる」が、一層不思議な現象に思えてくるような表現がされています。
にちようびおことをひいてつかれたよ
前橋桃川小1年 大はばさやか
【評】琴を習っているのですね。「つかれたよ」と言っていますが、頑張って楽しんだ結果でしょう。充実した過ごし方が感じらます。
おとうとはたまごのようにねむってる
沼田薄根小1年 あおきりょうこ
【評】まだ赤ちゃんの弟さんでしょう。その眠っているようすを「たまごのように」と書いています。かわいい赤ちゃんだと分かります。
公園でたいようのあじおべんとう
高崎国府小2年 八木ゆうと
【評】遠足でのお弁当でしょうか。太陽の光のもとで食べるお弁当は、太陽の味がするというのです。おいしいたとえ表現になっています。
はなみずきゆらゆらゆれてゆれまくる
高崎城山小2年 八川 まみ
【評】「ゆらゆらゆれて」をうけた「ゆれまくる」がおもしろい。花水木の花と思って読みましたが、秋の葉っぱでもよいかもしれません。
水たまりわたしのにがお絵書いている
前橋桃川小3年 大木 るな
【評】水たまりに映った顔。それを水たまりが、私の顔を描いてくれたのだと表現しました。たしかに水たまりには違った色感があります。
たかさきしどんどんさむくなってきた
高崎城山小3年 まつ本ひびき
【評】日に日に寒くなってゆく毎日。それを高崎市というスケールの中でとらえたところがおもしろい。日常より少し広いスペース感です。
ヘチマさん秋になったらおばあさん
前橋山王小4年 生形 真理
【評】ヘチマ棚に枯れてぶら下がっている実のようすを、「おばあちゃん」にたとえました。一年で年を取るヘチマの姿を見届けたのです。
点字さわるときもちいいけどむずかしい
前橋山王小4年 松本 弥春
【評】「きもちいいけど」がいい。判読できない「むずかしい」は誰でも思いますが、「気持ちいい」には体験が生きています。
かまきりが秋の色へと変わってく
高崎堤ヶ岡小4年 山田 夏加
【評】秋の草木が枯れた色に変わると、カマキリは体の色を保護色の枯れた色に変えてゆきます。カマキリの色に秋を感じる視点がいい。
北風が早く帰れと背中おす
前橋粕川小4年 戸塚将太郎
【評】北風を人のように見たてて表現しています。この北風は意地悪ではありません。北風に対するとらえ方が、この句を暖かくしています。
あかい夕日が山のかたちで消えていく
前橋粕川小4年 深澤 拓夢
【評】「山のかたちで」がいい。山の向こうに沈んだ夕日は、最後は山のかたちになってさよならのあいさつをしてゆきます。
学校で茶色いヘチマがゆれている
前橋粕川小4年 木村 亮太
【評】生形さんは、「おばあちゃん」と見たてましたが、木村君は「茶色いヘチマ」と特徴を描こうとしています。方法の違いがおもしろい。