林桂選

2007年1月10日上毛新聞掲載


みずたまりあめんぼにんじゃのかげはしる
群馬大附幼稚園年中 品川 瑞華
【評】水に浮かぶアメンボは、確かに忍者のようです。「かげはしる」で、一層忍者のように見えてきます。軽い身のこなしも感じられます。
どんぐりがおちばでおひるねしているよ
前橋桃川小1年 さいとうたか大
【評】落ち葉はドングリのお布団。確かに重なった落ち葉は暖かそうです。重いドングリも、その下に潜り込んでいることが多いですものね。
たんぽぽはいつもキラキラわらってる
前橋桃川小2年 青木菜々子
【評】タンポポの花を笑いにたとえました。それも「キラキラ」と笑っています。明るい色の花びらの一つ一つが、笑顔に見えてきます。
夏休みむぎわらぼうしとばされる
前橋桃川小2年 しながわしゅん太
【評】夏休みには、いろいろのことがあったでしょう。それを麦わら帽子がとばされた一瞬に凝縮して表現しています。一瞬一瞬が強い印象を持ちながら、あっという間に過ぎた夏休みです。
かぜたちとあつめたおちばであそんだよ
高崎国府小2年 八木ゆうと
【評】「かぜたちと」が「あつめた」にかかるのか、「あそんだよ」にかかるのかで、解釈が違ってきますが、前者の解釈の方が楽しそうです。
じきゅうそう光るあせもはしるんだ
高崎国府小2年 とみざとゆうた
【評】汗も走っているという視点に脱帽。確かに額や首を流れる汗は、一緒に移動していますから、走っていることになります。
ゴールしたら顔のまわりが火のようだ
前橋山王小3年 岡田あかね
【評】持久走大会のゴールでしょう。走っているときは感じなかったほてりが、顔にあつまります。ゴール直後をうまく表現しています。
マラソンちゅうそらのくうきがきもちいい
前橋山王小3年 澤田 尚宜
【評】持久走の冷たい空気は気持ちがいいもの。「そらのくうき」と大きくとらえたところがいい。いかにも気持ちのよさそうな空気です。
えんそくで妹のおみやげ竹とんぼ
前橋山王小3年 星野 伶衣
【評】おみやげに対する兄弟の「温度」差のようなものが表現されていますが、妹さんは妹さんで一番いいものを選んだに違いありません。
妹はいつもきままに遊んでる
前橋桃川小3年 下境あやか
【評】「いつもきまま」には、うらやましいと、問題だという二つの思いがあります。二つの思いを同時に表現するのはむずかしいことです。
ていねいにあきというじをていねいに
高崎城山小3年 いわたゆか
【評】書写の時間に「あき」という字を書いているようすでしょうか。「ていねいに」のくり返しに心のこもったようすが表現されています。
ケンカしてときどき弟になぐさめられる
前橋山王小4年 渋谷  遙
【評】ケンカの相手は友達でしょう。落ち込んでいる姉の変化に一番敏感なのは弟さん。このときばかりは、優しいお兄さんのようです。
む者行列かざはなたちが空かざる
前橋山王小4年 栗原 有加
【評】どこでの武者行列でしょう。珍しい冬季のものです。そこに舞う風花も行列の演出の一部のようにあでやかです。「空かざる」がいい。
青空を風車がぐるぐるかきまぜる
高崎堤ヶ岡小4年 鳥屋 美咲
【評】この風車は、「かざぐるま」ではなく、「ふうしゃ」なのかもしれません。青空をかき混ぜるというスケールの大きな表現に感心。
マフラーが心をあたたかにしてくれる
高崎堤ヶ岡小4年 福島 彩華
【評】マフラーの暖かさが体をとおして心まで届いたというのです。また、この表現をとおして、「作者」の心の暖かさも感じられます。
こたつの中家族の足でいっぱいだ
前橋桃川小4年 丸山 沙蘭
【評】こたつに集まる家族。それを「足」に焦点をあてて描いています。「いっぱいだ」には、家族団らんの幸福が感じられます。
じきゅうそう秋の風も走ってる
前橋粕川小4年 木村 亮太
【評】持久走大会で、走りながら感じる秋風。それを秋風も一緒に走っているからだと思ったのです。一緒に走っている感じに励まされます。