林桂選

2007年2月28日上毛新聞掲載


かぜのこたちふうしゃをまわしてあそんでる
前橋山王幼稚園年長 栗原 正明
【評】発電用の風車でしょうか。風車を回すのが「かぜのこたち」というのがいい。大人の風たちは風車を回して遊ぶ余裕がないのでしょう。
みかづきはいるかみたいにおよいでる
高崎国府小1年 かめいきょうすけ
【評】三日月がイルカに似ていることに気づきました。夜の空を輝きながら泳ぐイルカです。月がイルカに見えたところがかめいくんの発見。
ゆきだるま大きくつくってせかいいち
渋川津久田小1年 つのだりょういち
【評】雪だるまを作るとき、世界一大きなものを作りたいと、心に思っている人も多いでしょう。その人は、この句に共感できるはずです。
みんなとね天までとどけたらいいよね
前橋桃川小1年 山ぎしふうか
【評】空ではなくて「天」。自分だけではなくて、「みんなと」。作者が豊かな世界に生きていることが、願望の言葉からわかります。
マフラーをくびにまいてあそぼうよ
前橋桃川小1年 すとうありか
【評】「マフラーをくびにまいて」は、外遊びの姿。「あそぼうよ」は、寒さに負けない元気な遊びの誘い言葉になっています。
ゆきあそびじめんもそらもまっしろだ
前橋桃川小1年 関 絵里香
【評】一面に積もった雪。空も雪雲でおおわれています。真っ白な世界が、「ゆきあそび」の喜びの気持ちを一層盛り上げてくれます。
もみのきにかざりをつけてサンタまつ
前橋桃川小1年 久保 吏輝
【評】クリスマスツリーの準備をすっかり終えたことで、サンタさんを待つ気持ちもいよいよ強くなります。しばしの充実感と大きな期待感。
ふゆあそびかるたをつくってたのしいよ
前橋桃川小1年 大はばさやか
【評】授業で、カルタつくりをしたのでしょう。しあげは、つくったカルタであそぶことです。楽しいカルタができてよかったですね。
かけ算があたまの中でうたってる
高崎国府小2年 山本こうき
【評】暗唱したかけ算九九なのでしょう。「あたまの中でうたってる」がおもしろい。かけ算自身が歌って教えてくれている感じなのです。
だるま市だるまがいっぱい赤の山
中之条小2年 野口 大芽
【評】だるま市のだるまのようすを「赤の山」と表現しました。大きな赤のかたまりの迫力が印象的な句になりました。
ゆきだるまさむくないのかはだかんぼ
中之条小2年 はぎわられいな
【評】たしかに雪だるまは、はだかんぼです。それに気づいただけでなく、寒くないのか心配することができる人はなかなかいません。
みかんぶろみかんのにおいぼくにつく
前橋元総社小3年 福島 悠矢
【評】ミカンの皮を使ってのミカン風呂。柑橘系のいい匂いが、風呂に入った自分からもします。自分もミカンになったような不思議な気分。
ココアのみ氷のわたしはとけていく
前橋山王小4年 渋谷  遙
【評】「氷のわたし」は、外遊びか下校で冷えた自分の体のたとえ表現です。ココアで暖まってゆく体。とけてゆくほど幸せです。
妹はカルタに負けたらすぐに泣く
大泉東小4年 黒田 美咲
【評】まだお姉さんに勝つには実力の差がありすぎる幼い妹さん。でも、負けるのは嫌いです。泣くのは、いつかお姉さんに勝つための準備。
寒い朝唐沢川から湯気が立つ
高崎堤ヶ岡小4年 北村 拓也
【評】この「湯気」は、川面の水蒸気が氷結してできる霧でしょう。息が白くなるのと同じ。「寒い朝」を、川のようすから実感します。
とさ犬はたたかう犬でかわいそう
前橋桃川小4年 立川まさき
【評】「闘犬」の土佐犬。闘うことを運命づけられた犬に寄せた「かわいそう」という思いは貴重。闘いたくない犬もいるに違いありません。
「さむくない」「大じょうぶだよ」ゆきだるま
前橋桃川小4年 吉田 彩愛
【評】雪だるまとの心の会話です。「大じょうぶだよ」は、雪だるまの答えでしょう。大人は雪だるまと会話できないし答えも聞こえません。