|
風ふくと空舞うはっぱが忍者みたい
|
|
伊勢崎名和小6年 松山 友彦
|
 |
【評】「忍者みたい」に、松本さんらしい表現があります。風に舞う落ち葉がどう見えるか、人さまざま。大人には忍者に見えません。
|
 |
|
夜間登山みんなでとおる木のあいだ
|
|
伊勢崎名和小6年 西村 瞳
|
 |
【評】クラスの仲間との夜間登山のようです。「木のあいだ」がおもしろい。夜の闇の中を行くからこそ意識される空間なのでしょう。
|
 |
|
「おはよう」と白いいきが会話する
|
|
前橋桃川小6年 新木 光
|
 |
【評】「おはよう」というあいさつの言葉と一緒にでる白い息。すると、白い息同士もあいさつを交わしているように見えるのです。
|
 |
|
車のねまどだけ雪がふっていた
|
|
前橋桃川小6年 清水 美沙
|
 |
【評】たしかに、車の中から見る雪は車の窓だけに降る雪になります。作者は、視界の不思議のようなものに打たれているのです。
|
 |
|
冬のプールまっ茶ゼリーかも泳ぐ
|
|
前橋桃川小6年 鯉渕 優介
|
 |
【評】藻が増えて緑色になったプールの水を、まっ茶のゼリーのようだと感じたのです。その上を泳ぐカモ。表現の取り合わせの妙。
|
 |
|
冬の夜ツリーにかがやかく家のまど
|
|
前橋桃川小6年 高井 愛
|
 |
【評】窓辺に飾られたクリスマスツリー。窓明かりいっぱいに浮きでた姿に、目を奪われる作者。その輝きに暖かい家庭を感じ取っています。
|
 |
|
クリスマス我が家に子犬がやってくる
|
|
渋川北中2年 大竹 美雪
|
 |
【評】クリスマスプレゼントに子犬を買ってもらう約束なのでしょう。待ちきれない思いが、「やってくる」という言葉に出ています。
|
 |
|
大根の甘さが冬を告げていく
|
|
渋川北中2年 竹内 瞳
|
 |
【評】「大根の甘さ」は、おいしさそのもののことでしょう。大根がおいしくなることに冬を感じる感性は鋭く、大人のようでもあります。
|
 |
|
マフラーに君のかおりが残ってる
|
|
渋川北中2年 武井 直子
|
 |
【評】マフラーの持ち主が、「君」か「作者」かで解釈は違ってきます。もちろん、現実の問題としてではなく、句の世界の問題としてです。
|
 |
|
妹の描いたツリーはまっ黄色
|
|
中之条中2年 唐沢 由弥
|
 |
【評】妹さんの描いたクリスマスツリーは、飾り物がいっぱいで、緑よりも黄色が多いのです。それは妹さんの夢の表現でもあります。
|
 |
|
風がふき前のめりになった雪がふる
|
|
中之条中2年 平形友里香
|
 |
【評】「風がふき」の説明調が気になりますが、「前のめりになった雪」が面白い表現。斜めに吹きつける雪のことなのでしょう。
|
 |
|
読書中風がストーリーをさらってく
|
|
中之条中2年 平林 里美
|
 |
【評】風の音によって読書の世界から現実に呼び戻された瞬間を、ストーリーをさらわれたと表現したのでしょう。表現の工夫がいきた句。
|
 |
|
明け暮れの鳥集まりし冬神社
|
|
高崎片岡中3年 吉田 裕良
|
 |
【評】「冬神社」は表現が固い。「の」を入れた時の字余りが気になったのでしょうが、もう一工夫。上五中七の表現は、大人顔負けのうまさ。
|
 |
|
水涸れを窓から覗くマグカップ
|
|
高崎片岡中3年 塩野谷麻衣
|
 |
【評】「水涸れ」は冬の季語。窓から見える冬川の様子でしょう。手に持ったマグカップには温かい飲み物が満たされているのです。
|
 |
|
山眠る母の手のひらあたたかい
|
|
高崎片岡中3年 岡田 仁美
|
 |
【評】冬の外遊びで冷たくなった手を迎えてくれた温かい母の手の記憶をもとにしての句でしょうか。手の温かさは母の温かさそのもの。
|
 |
|
静けさにねむる寒鯉目を閉じず
|
|
高崎片岡中3年 斉藤 恵
|
 |
【評】「木は立ったまま眠る」と喝破したのは寺山修司ですが、斉藤さんの「寒鯉は目を閉じずに眠る」という喝破も見事です。秀作です。
|
 |
|
木枯らしと自慢の自転車大勝負
|
|
高崎片岡中3年 松井 聡美
|
 |
【評】木枯らしに向かって自転車をこぐさまを、「大勝負」と見たてました。「自慢の自転車」は、自慢の脚力のことでもありましょう。
|
 |
|
階段の足元包む底冷えが
|
|
高崎片岡中3年 飯塚 喬子
|
 |
【評】「が」が説明的で、散文的な印象を与えているのが残念。「底冷えよ」でもいいから、切れを意識したいところ。視点に優れた句です。
|
 |
|
寒椿行く人見守る妖精か
|
|
高崎片岡中3年 貝瀬里恵奈
|
 |
【評】「か」は疑問の意味でしょうが、「妖精」を「寒椿」の比喩(ひゆ)表現にするためにも、断定の表現にした方がいいように思われます。
|
 |
|
水涸れる小川の石に鳥の影
|
|
高崎片岡中3年 篠原真太郎
|
 |
【評】涸れて石がちになった川の鳥影。小鳥の捕食のための姿でしょう。小鳥の影を発見することが、冬の川の様子の発見にもなっていて見事。
|
 |
|
露天風呂立つ湯柱や白き龍
|
|
高崎片岡中3年 久保 良介
|
 |
【評】露天風呂に立つ湯煙を「湯柱」と呼び、さらにそれを「白き龍」に見たてています。湯量豊富な大きな露天風呂の描写でしょう。
|
 |
|
落葉踏み行く人々が大演奏
|
|
高崎片岡中3年 川端 裕介
|
 |
【評】「人々」が登場するので街路樹の落ち葉でしょう。乾いた落ち葉を踏む音が「大演奏」のように響くのです。大都市の街路樹でしょうか。
|
 |
|
小春日の雲はおでかけ青い空
|
|
高崎片岡中3年 名雲 麗
|
 |
【評】小春日和の青空をゆっくり流れる小さな雲。「おでかけ」という擬人法の表現に、外出日和のおだやさが表現されています。
|
 |
|
隙間風石油の匂い運んでる
|
|
高崎片岡中3年 天井 莉奈
|
 |
【評】隣室の石油ストーブの匂いが、隙間風に乗って通ってくるのです。石油の匂いで、隙間風の存在に気がついたのかもしれません。
|
 |
|
スーパーに酢ダコが並ぶ師走かな
|
|
渋川小野上中3年 飯塚 麻衣
|
 |
【評】師走の風物詩としての酢ダコを見つけたところが、手柄。しかも「スーパー」の店頭のもの。何より現代の師走の発見でもあります。
|
 |
|
朝冷えてポインセチアの色薄し
|
|
渋川小野上中3年 佐藤 莉奈
|
 |
【評】「色薄し」の感覚的な表現が効果的。朝冷えの厳しさを、ポインセチアの花の色に重ねて感じとっているのです。
|
 |
|
オリオンが静かな風を照らしけり
|
|
渋川小野上中3年 飯塚 泰志
|
 |
【評】オリオン座の光が照らすのは、「もの」ではなく「風」です。表現が感覚的で、かつ繊細です。冬の清澄な空気も感じられます。
|
 |