鈴木伸一選

2007年2月21日上毛新聞掲載


六年の心のこもった花畑
伊勢崎名和小6年 中沢 孝祐
【評】六年生みんなで、大切に世話をしてきた花畑。もうすぐ小学校を卒業してゆく中沢君たちから下級生たちへの、心のこもった贈り物です。
二学期も先生のメガネかがやいた
前橋笂井小6年 下山 桃子
【評】いつも下山さんたちをやさしく、そして時にはきびしく見守ってくれている先生。眼鏡の光は、先生の愛情の光なのではないでしょうか。
七草をすべて言えると自慢する
富岡南中1年 土屋 美月
【評】今は七草を知らない人も多いので、すべて言えるというのは、確かに自慢してもいいこと。何にせよ、伝統文化を知ることは大事です。
自転車に私と北風2人乗り
富岡南中1年 田中 里沙
【評】向かい風か追い風かは分かりませんが、「2人乗り」という親しみの気持ちを感じさせる言葉から、おそらく後者だろうと想像されます。
しがみつく小さなつらら鉄棒に
富岡南中1年 佐藤 飛鳥
【評】表現上は上五と下五を逆にした方がスムーズですが、感動の中心は「しがみつく」なので、これを冒頭に置くのが、やはりいいですね。
日が当たる静かな場所に花が咲く
中之条中2年 剣持江里奈
【評】おだやかな光に包まれ、見るからに清浄な空気を感じさせる場所。そこに咲く花も、それを見ている人間も、たいそう美しい印象です。
青空の奥まで届く春の声
中之条中2年 唐沢 瑠美
【評】森羅万象に、春という季節がしみ渡ってゆきます。私の耳には、ヨハン・シュトラウスの「春の声」というワルツも聞こえてきました。
青空は明日を思う春もよう
中之条中2年 宮内 杏子
【評】空の青さに近づく春の気配を感じ、作者の心も、おのずと明るくなっているようです。良き明日への前向きな意志に、好感が持てます。
冬の空眠っているよ猫たちが
中之条中3年 宮崎 拓也
【評】現実のネコを描いたのでしょうが、同時に、死んでしまったネコたちが、空の上で安らかに眠っているといったイメージも浮かびます。
朝起きて鳥の春めく声響く
渋川小野上中3年 丸山  唯
【評】鳥達の声の微妙な変化に、近づく春を聞き取った丸山さん。伸びやかな感性が発揮された、読むと自然に心がはずんでくる作品です。
奇妙な目僕に向けるや冬の空
渋川小野上中3年 野村 翔平
【評】「奇妙な目」の主は実際の人物であると共に、冬の空でもあると思えます。むしろ、空に浮かんだ目というイメージの方が魅力的かも。
澄みきった川で光るや鳥の羽
渋川小野上中3年 佐藤 磨依
【評】冷たい中にも清らかな透明感をたたえた冬の川で、水鳥が羽ばたいているのでしょう。日を浴びてキラリと光った羽が、実に印象的。
裏山の枯れ木が見せる空模様
渋川小野上中3年 樋田 亮介
【評】裏山の枯れ木越しに見える冬空。日ごとに変わるその表情を見ながら、作者は残り少ない中学校生活を大切に過ごしているのでしょう。