林桂選

2007年3月14日上毛新聞掲載


高校の思い出胸に春がくる
富岡実高3年 田中 裕介
【評】卒業の春を迎えての感慨。春は巡ってきても同じ春は巡ってきません。人生の大きな節目の一つである卒業の年の輝く春です。
冬空は氷のように透き通る
渋川青翠高3年 関  愛子
【評】「冬空」の冷たさを「氷」にたとえるのは付きすぎですが、「透き通る」という透明感の比喩となると話は別。新鮮な表現になります。
朝起きてつらら探しの旅に出る
育英短大2年 今井 香織
【評】幼いころの思い出でしょう。朝一番にすることが、大きな氷柱を探すことなのです。何でも楽しみ、なんでも遊びに変えられたころです。
雪が降る私の涙と混ざるため
育英短大2年 宮田 亜紀
【評】この涙は、悲しみのためのものでしょう。雪は、その悲しみを慰い ぶ撫してくれる存在です。「私」の悲しみ目がけて降ってきてくれる雪。
雀の子親の帰りを歌で待つ
育英短大2年 木暮 恵里
【評】帰りの遅い親を待った自己の体験を重ねているのかもしれません。「歌で待つ」の省略の効いた表現がいい。歌うことで耐えるのです。