林桂選

2007年3月14日上毛新聞掲載


あさはやいいぬのさんぽはかおいたい
前橋山王小1年 こいでかほ
【評】冬の朝の犬の散歩。その寒さが「かおいたい」という具体的な表現となっています。具体的に書くとよいという見本のようないい作品。
一年のぼうしがくるりとあそんでる
前橋桃川小1年 ほそ田なおと
【評】「くるりと」にいろいろな想像が重なります。鉄棒だろうか、前転だろうかとかいろいろです。そして、「くるりと」はとても楽しそう。
きたかぜもたこあげすればたのしいな
前橋桃川小1年 須藤ゆいか
【評】冷たい北風も、たこあげあそびの相手と考えれば、楽しいあそび仲間になります。たこを上に引っぱってくれている友だちです。
学校のさんすうがんばる一ねんせい
前橋桃川小1年 森下かんた
【評】大変でも楽しい算数。がんばろうという気持ちがわいてきます。一年生には勉強の原点があって、大人は教えられることが多くあります。
お空からふってるゆきもわらってる
前橋東小1年 黒崎まど香
【評】「ゆきも」ですから、ふってくる雪を見上げている子どもたちも笑っているのです。つらい雪ではなく、たのしい雪のすがたです。
おにがきた6ねんせいのおにがきた
伊勢崎殖蓮二小1年 島村 大輝
【評】学校での節分行事でしょう。鬼役の六年生が、一年生の教室にくるのです。鬼は六年生と知っているので少し気持ちに余裕があります。
どんぐり山しもばしらがいっぱいだ
前橋大室小2年 大澤瑠季亜
【評】どんぐり山が、背伸びして一回り大きくなったように霜柱が広がっています。霜柱を「どんぐり山」という大きな面でとらえてみごと。
おはなからちっちゃいはいくがとんできた
高崎国府小2年 まつざわななこ
【評】花から俳句が浮かんだ瞬間が「はいくがとんできた」。俳句は作るのではなく授かるものと言います。それはこんな経験でしょう。
つくしの子たんぽぽきれいだ春のかぜ
中之条小2年 はぎわられいな
【評】ツクシにタンポポに春の風。「きれいだ」に、春いっぱいの幸せな気持ちがあふれています。作者はスキップでもしていそうな句です。
ゲームの中ゆきがふっててうらやましい
高崎国府小2年 かとうさき
【評】暖冬で雪の降らなかったこの冬。ゲームの中にふる雪さえも、うらやましく思えてきます。生活の中から、感情を発見し書いています。
口ぶえは体の音楽おもしろい
前橋桃川小3年 丸山けいすけ
【評】口笛は、人間の体を楽器にして音を出しているということに気づいたのです。人間も楽器だったという発見。まさしく「おもしろい」。
マフラーはふわふわ首のふとんだね
高崎城山小3年 尾高 まお
【評】首は寒がりで寝坊なのでしょう。マフラーのふとんを出ないのだから。マフラーがふとんに見えたとき、首の性格も見えてきましたね。
湯どうふは温せんにつかっているみたい
前橋山王小3年 岡田あかね
【評】おもしろいみたてです。湯豆腐は、お料理としては不思議な気がします。たしかに豆腐を温泉に入れているといった方がよさそうです。
ふる里の米沢いまごろふぶきかな
前橋桃川小4年 石田 大地
【評】山形の米沢が故郷の石田くん。厳しい天候に思いをはせるのも、故郷を大切に思う気持ちの表れ。友達の顔も思い浮かんでいるのでしょう。
こんにちわさくらの赤ちゃん生まれたね
前橋桃川小4年 山田 歩実
【評】「さくらの赤ちゃん」は、花芽のことでしょう。「こんにちわ」のあいさつに、春を迎えるうれしい気持ちが表現されています。