鈴木伸一選

2007年4月18日上毛新聞掲載


さくらさきひとつ大きくなりました
富士見幼稚園年長 本木  凛
【評】年中さんは年長さんに、年長さんは小学一年生に。こうしてサクラの木といっしょに、子どもたちはぐんぐん大きくなってゆくのです。
ランドセル花びら一まいかくれんぼ
高崎国府小2年 八木ゆうと
【評】家に帰ってランドセルをあけたら、サクラの花びらが入っていたのでしょう。ふだんの生活の中に発見した、ゆたかな春の季節感です。
夜の空光のゆりかご星をだく
高崎国府小2年 長谷川かずき
【評】たとえば天の川をながめたときなどは、「光のゆりかご」という感じを受けるでしょう。ちょっとおとなびた表情の、美しい俳句です。
ろてんぶろ一人で入ればゆきがチラ
渋川中郷小2年 たかはしゆま
【評】ゆまさんは、ろてんぶろがすきですか? わたしは、大すきです。チラチラとまう雪をながめながらお湯につかるなんて、もう最高!
ざらめゆきシャーベットみたいたべたいな
前橋桃川小2年 星野 るな
【評】「シャーベットみたい」というのは、ざらめ雪にふれてみて、はじめてわかること。俳句は、こういうじっさいのけいけんが大事です。
春色のかわいい小鳥が鳴いている
高崎城山小3年 松本  響
【評】「春色」って、どんな色かなあ。あたたかな日ざしの中で楽しげに鳴く小鳥たちを思いうかべながら、いろんな色を考えてみました。
庭さきのうすもも色に春を見た
高崎城山小3年 小じまけんと
【評】うすもも色の花が、庭先にさいています。その色に春のおとずれを実感したわけですが、それを「春を見た」と強く表現したのがいい。
しだれざくら地めんをはいているみたい
水上小3年 鈴木 舞花
【評】何本もの枝を長くたらしたシダレザクラは、たしかに地面をはいているみたいです。ここに、舞花さんの発見があると言えるでしょう。
春になりみんなえがおで花みたい
前橋山王小3年 市花 結美
【評】明るいえがおは、みんなの心に美しい花をさかせます。結美さんもたくさんの人たちに、心の中の美しい花をわけてあげてください。
花がさく花がかがやくきれいだな
前橋山王小3年 岩崎  光
【評】一生けんめいにさいている花は、いのちのかがやきが内側からにじみ出てくるような感じがします。人間も見習わないといけませんね。
春がきた青空たかくくもあがる
前橋山王小3年 秋山  瑛
【評】「青空たかく」という表現がいいですね。明るい青空に気持ちよさそうにうかんだ雲が目にうかび、「春が来たなあ」と実感されます。
春が来たピンクの道をとびこえて
前橋山王小3年 繻エ禄愛那
【評】春は他の季節にくらべ、生き生きとはずむような気分を強く感じます。「とびこえて」という表現にも、そんな気分が出ていますね。
公園にピンクのじゅうたんおひめさま
前橋山王小3年 戸井田紀香
【評】公園に、サクラの花びらがいっぱいちっています。その上をそっと歩いたら、何だかおひめさまになったような気がしたのでしょうね。
春が来ただけどこたつに入りたい
前橋山王小3年 諸岡 陽輝
【評】こよみの上では春になっても、まだ寒い日はあるものね。春なのか冬なのか、何となく中途はんぱな気分を、ユーモラスに描きました。
春休み春風一人で遊んでる
前橋山王小4年 中島由利也
【評】春休みと言っても、平日などは一人で退屈なときもあるでしょう。この句のちょっとさびしそうな表情に、そんなことを思いました。
春さんがもうきましたよおしらせです
前橋山王小4年 阿部 竣輔
【評】春という季節から竣輔君に届いたお知らせを、今度は竣輔君がみんなに知らせているという感じ。私にも春の知らせが届くといいなあ。
弟の笑顔が私をあたためる
前橋山王小4年 栗原 有加
【評】弟のかわいい笑顔を見ていると、自然に気持ちがあたたかくなるのでしょう。お姉さんらしいやさしさが、よく伝わってくる俳句です。
旧校舎遊んだきおくつまってる
前橋大胡小4年 町田 優生
【評】大胡小は、校舎が新しくなったのです。新校舎はきれいで気持ちがいい半面、楽しい思い出がつまった旧校舎も忘れられないですよね。
教室に一番最初に春が来た
前橋笂井小4年 藤井 志帆
【評】春のよろこびにあふれた俳句。「最初」は一番初めという意味だから、「教室に最初に春がやって来た」みたいに直すといいでしょう。