|
麦のほが心にエールをおくってる
|
|
前橋山王小5年 栗原 有加
|
 |
【評】青い麦の穂が次々と立つ畑のようすに、励まされる気持ちになるのです。自然のエネルギーを自分の心のエネルギーにしています。
|
 |
|
畑行く大根の花咲いている
|
|
高崎堤ヶ岡小5年 寺沢 啓
|
 |
【評】冬の間に収穫されずに畑に残されたままの大根が、花を咲かせているのでしょう。普段は見かけない大根の花に心をひかれています。
|
 |
|
身長がちいさくたって五年生
|
|
高崎堤ヶ岡小5年 竹田 篤志
|
 |
【評】竹田くんは、五年生としては小柄なのでしょう。しかし、上級生としての気持ちも、力も十分に持っています。自負心が頼もしい。
|
 |
|
ランドセルまてずにお店でしょっちゃった
|
|
高崎城山小5年 佐々木 楓
|
 |
【評】ランドセルを買ったときの嬉(うれ)しい思い出でしょう。買うとすぐにお店で背負ったのです。そしてそのままお家に帰ったのかもしれません。
|
 |
|
洋服がおしえてくれた夏が来た
|
|
前橋桃川小5年 星 菜摘
|
 |
【評】友だちの洋服が涼しげな夏服に変わってゆくのを見て、夏がきたことを感じています。「洋服がおしえてくれた」がうまい表現です。
|
 |
|
筆箱の中とがった鉛筆やる気まんまん
|
|
前橋粕川小6年 小林 愛美
|
 |
【評】きれいに削られ筆箱に並べられた鉛筆は、勉強に熱心に取り組もうとする心の表れです。鉛筆もやる気満々のようすに見えてきます。
|
 |
|
一年生小さな体に大きなつばさ
|
|
前橋粕川小6年 下山ひとみ
|
 |
【評】「大きなつばさ」は心の表現。一年生は、心に大きな翼をつけて小学校に入ってきます。小さな体はいまにも飛んでしまいそうです。
|
 |
|
ベランダにすわって遠くの藤を見る
|
|
下仁田小坂小6年 茂木 幹太
|
 |
【評】少し高いところ、少し遠いところから見る藤の花。花は大きな紫のかたまりになって見えることでしょう。「すわって」じっくり見ます。
|
 |
|
雨の日は群馬のにおいふと落ち着く
|
|
前橋二中2年 奥野 愛
|
 |
【評】たしかに雨の日だから匂いが立つという場合があります。その匂いの中に、郷土群馬を感じることができ、落ち着くというのです。
|
 |
|
新品のノートに春の香りかな
|
|
渋川小野上中3年 新井 美晴
|
 |
【評】新品のノートの紙とインクの匂(にお)い。それは新しい学用品を使い始める新学期の匂いでもあります。「春の香り」への飛躍表現が効果的。
|
 |
|
空光り帽子が欲しいと思う午後
|
|
渋川小野上中3年 小野 敦也
|
 |
【評】光にあふれた五月の空。その光の強さから、自然と帽子が欲しいと思うのです。光にあふれてゆく季節を魅力的に描いています。
|
 |
|
春の雨教室の中を暗くする
|
|
中之条中3年 青柳 佑弥
|
 |
【評】教室が暗くなって、雨が降っていることを知ります。作者は雨が見えない位置にいるのかもしれません。重い降りの春雨もあるのです。
|
 |
|
暖かい気持ちがのった綿毛とぶ
|
|
中之条中3年 蟻川 直矢
|
 |
【評】タンポポなどの春の草花の綿毛。その飛ぶようすを「暖かい気持ちがのった」と表現しました。ふわふわした浮遊感の表現でしょう。
|
 |
|
弟のあくびが春を呼んでいる
|
|
中之条中3年 竹渕 貴博
|
 |
【評】「あくび」は春の季語です。弟さんのあくびの姿に、春の温かさを実感しています。「あくびが春をよんでいる」が巧みな表現です。
|
 |
|
風かおるこいのぼりの生臭さ
|
|
富岡南中3年 飯塚 佳那
|
 |
【評】作者の意識にあるものは、自然と人工の対比意識でしょう。そのなかで、こいのぼりにさえも不自然さを感じ取っているのが「生臭さ」。
|
 |
|
日輪に心奪われ海の上
|
|
富岡南中3年 榎本 理奈
|
 |
【評】太陽と海だけの洋上の世界。その中で太陽が存在感を増します。「しんしんと肺碧きまで海のたび」(篠原鳳作)を思い出します。
|
 |
|
朝の風うぐいすの声とけていく
|
|
館林一中3年 後閑 浩美
|
 |
【評】「とけてゆく」がうまい。春の朝の温かさとまだ眠気で朦朧(もうろう)とした感覚の中で鳴くウグイスの声は、こんな感じに聞こえます。
|
 |
|
横笛に油塗り込む昭和の日
|
|
新島学園中3年 上原 茜
|
 |
【評】横笛の手入れをしながら、伝統的な文化を大切に思う気持ちが立ち現れてきます。平成生まれの作者には、昭和も歴史の出来事です。
|
 |
|
空に手を掲げれば俺はココに存在してるって信じれる気がする
|
|
中央中等3年 高橋 優斗
|
 |
【評】長律の自由律句。「してるって」や、ら抜き「信じれる」なども意識的表現でしょう。自分を見つめる言葉として選択したのです。
|
 |
|
電車の中疲れた顔に疲れる
|
|
中央中等3年 金子 和正
|
 |
【評】短律の自由律句。疲れた人を見ることで自分の中の疲れも意識にのぼるということがあります。「疲れる」のリズムの途絶感が効果的。
|
 |
|
春風にせんたく物が逆あがり
|
|
中央中等3年 瀧澤 琴音
|
 |
【評】竿(さお)竹を鉄棒代わりに逆上がりをしようとする洗濯物。春の強風にあおられる洗濯物の動きを楽しい視点で描いています。
|
 |
|
休憩に飲む水の味春の味
|
|
中央中等3年 飯野 由夏
|
 |
【評】「水の味」「春の味」と繰り返す「味」に、深く味わう思いが表現されています。水をとおして、自己と向き合おうとするかのようです。
|
 |
|
かれ葉ふむ儚き音が嬉しくて
|
|
中央中等3年 吉田 早織
|
 |
【評】儚(はかな)いものに身を寄せ、それをいつくしむ心から見えてくる世界があるはずです。「嬉しくて」に、作者の感性のよさが感じられます。
|
 |
|
腹減ってソメイヨシノの木を見てる
|
|
中央中等3年 塚田 寛人
|
 |
【評】桜でも花でもなく、片仮名の「ソメイヨシノ」は、レストランのメニュー名のよう。「腹減って」をユーモラスに受けとめています。
|
 |
|
せみしぐれ山からきこえるぼくの声
|
|
中央中等3年 樋口 拓真
|
 |
【評】蝉(せみ)しぐれに、山からの自分自身の声も混じって聞こえるような気がするというのです。捉(とら)えきれない自分自身の存在の表現でしょうか。
|
 |
|
フデバコに海坊主って書いてみた
|
|
前橋木瀬中3年 植木 里佳
|
 |
【評】なぜ「海坊主」なのか、本人にもはっきりとした理由は分からないでしょう。所在なさの中に無意識の自分を見つめる句になりました。
|
 |