林桂選

2007年8月29日上毛新聞掲載


青い空わたしの心はラムネ色
共愛学園高1年 小林 桃子
【評】「ラムネ色」を幸福の表現として使っています。独創的な比喩(ひゆ)ではありませんが、小さな幸福感の表現としてここでは効果的です。
風薫る犬との散歩で気がついた
渋川青翠高1年 細矢 貴紀
【評】犬との散歩は何気ない日常の一こま。その日々も少しずつ違っています。「風香る」は、その小さな変化を楽しむ心が見つけたものです。
春になり君が見ていた景色みて
渋川青翠高1年 町田英里香
【評】転校か進学先の違いで、別れた君でしょう。君の不在を、君が見ていた景色の存在で確かめているのです。切ない心が書けています。
夕焼けに思いうかべてまた消して
渋川青翠高1年 星野 知里
【評】恋の句。思い浮かべるだけでは通り一遍の表現ですが、「また消して」に込められている葛藤が、より深い恋心の表現になっています。
水面をはじき飛び去る赤とんぼ
高崎北高1年 岡田 紫音
【評】赤トンボの産卵のようすでしょう。小さいトンボながら、すばやく機敏なだけ、産卵行動も「はじき飛び去る」激しさがあります。
干し柿を吊す祖父の背小さかり
高崎北高1年 狩野 真衣
【評】祖父の背に感じるものは、老いであり、それに伴う労いたわりの思いです。高さを意識させる「吊つるす」という行為がここでは大事な視点です。
雨の中ぬれて高まるこの気持ち
桐生一高3年 有賀 研斗
【評】雨がもたらす興奮状態。試合か恋か。「雨と血にワイシャツ濡れてゐる無援ひとりへの愛うつくしくする」(岸上大作)を思い出します。