林桂選

2007年8月1日上毛新聞掲載


ぼくのひざねこがのぼってうれしそう
前橋山王小1年 かんのゆうた
【評】「うれしそう」なのは、ネコなのかもしれませんが、「ぼくのひざ」がうれしそうだとも読めます。もちろん、かんの君もうれしそう。
にいちゃんのひまわりおれてかわいそう
前橋山王小1年 しろたみほ
【評】大切に育てていたヒマワリが折れてしまったお兄さんの気持ちを思いやっています。ストレートな「かわいそう」が、ここでは効果的。
なつやすみほたかやまがよくみえる
片品武尊根小1年 星野美沙子
【評】夏休みに入った気持ちが、武尊山を見る心の余裕を生んで、「よくみえる」のでしょう。見慣れた山も気分で違って見えます。
雨がふるキラキラひかるあめぜんぶ
片品武尊根小3年 星野 莉玖
【評】「あめぜんぶ」がいい。降る雨の全部が光っているのです。暗い天気の雨ではなくて、明るい天気での雨でしょうね。楽しい雨です。
大けやきあついときにはすずしいよ
前橋大胡小3年 今井隼之介
【評】大ケヤキは校庭にあるのでしょうか。大ケヤキの涼しさは暑いときほどよく分かります。木陰は「緑陰」として季語になっています。
なくしたのポイントカードたいやきの
中之条小4年 前田 翔太
【評】鯛焼き屋さんのポイントカードは知りませんでした。楽しみにポイントをためていたのでしょう。がっかりした思いが伝わります。
お父さん弟さわぐカブト虫
高崎城山小4年 鈴木  葵
【評】お父さんと弟さんが騒いでいるカブト虫のどこがいいのか分からないといった醒さめた視線が印象的。お父さんまで子ども扱いです。
いけにいるきんぎょはみんな大きいな
前橋駒形小4年 大島 叶人
【評】こんなに大きくなるのと思うほど大きな池の金魚。水槽で飼われいる姿からは想像もつかないほど。素直な驚きが句になりました。
妹のおむかえいくととんぼいる
前橋大胡小4年 井上 侑美
【評】「とんぼいる」がいい。妹さんが遊んでいた場所も、どんな遊びをしていたのかも、自然と想像がつきます。秀作です。
自てん車ではやての家まで行きました
前橋大胡小4年 須藤 仁音
【評】「はやて」はお友達の名前でしょう。交通ルールを勉強して、自転車でお出かけできるようになる高学年。四年生になった喜びです。
切れはしのスイカいつでもパパたべる
群馬大附小4年 鶴田 ゆみ
【評】切れ端のスイカだけ食べるのではなく、切れ端まで食べるのでしょう。スイカ好きのお父さんを、具体的に生き生き表現しています。