鈴木伸一選

2007年8月22日上毛新聞掲載


夏休み家族全員で昼ね中
高崎堤ヶ岡小5年 福田 将大
【評】昼寝は気持ちいいし、からだのためにも有益です。家族全員でなかよく横になれば、気持ちよさも効果も倍増するような気がします。
柿の花ひざしをあびて育ちます
高崎金古南小5年 安野 文哉
【評】梅雨どきにひっそりと咲くカキの花は、薄い黄色で目立ちませんが、よく見ると、なかなか美しい。安野君は、そのことをちゃんと知っているんですね。
庭のしばみどりにそまる春の朝
高崎金古南小5年 大嶋 幹久
【評】春の朝ならではの伸び伸びとした気分が、よく伝わってきます。明るい日の光や、ふんわりとした風の肌ざわりも感じられるのがいい。
雨だけど花火はいつも輝くよ
高崎城山小5年 斎藤 真奈
【評】大きな打ち上げ花火なら、多少の雨でもきれいに見えるでしょう。もう一つ、いつか見た花火の思い出が、心の中で輝いていると読むこともできますが。
日本海日がしずむとき海こげる
前橋新田小5年 鈴木 輝彦
【評】松尾芭蕉の句に、日本海へしずむ夕日をうたった「暑き日を海にいれたり最上川」があります。鈴木君の句は、「こげる」がユニーク。
海にいき泳いでいると笑っちゃう
前橋新田小5年 峯岸  樹
【評】楽しい、うれしい、気持ちいい。いろんなことが合わさって、思わず笑っちゃったのでしょうね。私も、海に行ったときは同じでした。
夜の海キャンプファイヤー火のとうに
前橋新田小5年 長谷川瑠美
【評】臨海学校のいろんな思い出を美しく照らすように、キャンプファイアーが高々と燃え上がっています。この体験を、いつまでも大切に。
グランドに仲間と一緒に夏がきた
前橋新田小6年 南方 隆太
【評】南方君は、野球とかサッカーとかといったスポーツをしているのでしょう。夏という季節そのものもチームの一員であるかのような書き方が、とてもいいですね。
夏の風海のにおいがどこまでも
前橋新田小6年 金子 美悠
【評】潮のにおいが風に乗って、どこまでも運ばれてゆくということかな。海から自宅に戻ってもなお、潮のにおいが消えないような気がするということかな。
思い出を作っておこうね夏の空
前橋新田小6年 佐藤 文香
【評】小学校最後の夏。いろんなことにチャレンジして、すてきな思い出をたくさん作ってください。その思い出も、俳句にしてほしいなあ。
夏の海波がゆっくり動いてる
前橋新田小6年 書上  翼
【評】沖合の波が、浜辺からはゆっくりと音もなく動いているように見えるのです。周囲の騒がしさがふと消えてしまったかのような、夏の真昼の不思議なひととき。
くもり空友の周りは晴れている
下仁田小坂小6年 永井 詩織
【評】暗い雲をふき飛ばすような、ほがらかで元気な友だち。そんな友だちといっしょにいると、永井さんの心も、自然と晴れやかになってくるのでしょう。
3がいで手をふる友とあおい空
下仁田小坂小6年 柳沢 明音
【評】校舎の三階の窓から手をふる友だちの頭上には、青空がいっぱいに広がっています。すがすがしさにあふれた俳句で、好感が持てます。
炎天下きれいな空見て走ろうよ
渋川小野上中1年 佐藤 千栄
【評】部活動の情景かと思いますが、「きれいな空」というとらえ方に、すがすがしい若さを感じます。お節介のようですが、水分補給は忘れないでください。
ビニールの傘の骨折れ梅雨の朝
渋川小野上中2年 黒尾 慶太
【評】人によって違うでしょうが、傘の骨が折れたとき、私は結構、へこんでしまいます。梅雨どきの何となく浮かない気分が、一層増してくるようでもあります。
鉛筆を削ってながめる夏休み
渋川小野上中2年 青木 里穂
【評】鉛筆を削り、教科書やノートを開いても、なかなか勉強に集中できないのです。「えんぴつが短くならない夏休み」(愛知県小6・山崎裕代)という句もあります。
アルバムに夏のページはあと少し
渋川小野上中3年 新井 美晴
【評】実際にページが残り少ないということと同時に、夏という季節そのものも、あと少しで終わってしまうという意味もあるでしょう。ちょっぴり切ない、夏の終わり。
夏の朝占い読んでいざ登校
沼田西中2年 池田 早織
【評】「いざ」という、少々時代がかった言葉が面白い。こうして勇んで登校するからには、占いに良いことが書かれてあったのでしょうね。