鈴木伸一選

2007年11月28日上毛新聞掲載


もりのきはかめれおんいっぱいかくれてる
前橋桃川小1年 おのゆうき
【評】秋になって森の木々がいろんな色にそまるのは、たくさんのカメレオンがかくれているからだと思ったゆうきくん。なんてたのしい想像(そうぞう)でしょう。
なつやすみきれいになってどこいくの
前橋桃川小1年 ます田さき
【評】おめかしをして出かけるのは、友だちかな。ぐうぜん会ったのでしょうが、「きれいになって」に、女の子らしい気もちが出ています。
はしるとねこころがねあったかくなる
高崎城山小1年 かわむらりゅうま
【評】ちからいっぱい走ると、からだだけでなく、こころまでぽかぽかしてくるというのです。たしかにそうだなあ、とわたしも思います。
おそうじはたのしいよほうきがかるいよ
高崎城山小1年 おぎわらりゅうと
【評】いっしょうけんめいに、しかもたのしい気分でそうじをしているから、ほうきもかるいのです。いやいやだったら、こうは感じません。
かれはがねひばなになっておちてくる
高崎城山小3年 山口としき
【評】まっ赤にそまった木の葉が、次から次へと落ちてくるのです。「ひばな」という発見に、としき君のすぐれた観察力がうかがえます。
しゅうじでねうまく書けたよ秋の空
高崎城山小3年 柴田 空真
【評】習字がうまく書けたうれしさが、「秋の空」から、自然につたわってきます。「うれしさ」を、ほかの言葉に置きかえたのがよかった。
ちょうちょがはねをさかせてきれいだね
前橋山王小1年 つださゆり
【評】「はねをひろげて」だとあたり前ですが、「さかせて」は、とてもすてきな「詩(し)のことば」になっています。花のようにきれいなチョウだったのでしょうね。
風せんをぎゅっとにぎるとあせが出る
前橋山王小2年 むとう早な
【評】風せんを強くつかむと、大きな音を立てて今にもわれちゃいそうで、ハラハラドキドキです。あせが出るのは、そのせいなのでしょう。
寒い朝大きな空からかぜがふく
前橋山王小3年 ますだこうた
【評】よく晴れた寒い朝は空気がすんでいるので、空もふだんより大きく、広々としているように感じられるのでしょう。風も、つめたそう。
きこえるよぼくのへやまで虫の声
前橋山王小4年 池田いおり
【評】家族がそろう部屋で聞く虫の声も楽しいけど、自分の部屋で、ひとり静かに虫の声に耳をかたむけ、ねむりにつくのもすてきですね。
秋の夜きもちいい夜ねむい夜
高崎金古南小2年 ふくだたくみ
【評】「夜」を三度くり返したことで、ここちよいしらべが生まれています。そのしらべにのって、わたしもふっとねむくなってきました。
秋の山はっぱのふとんかんせいだ
前橋駒形小3年 おぎわらかな
【評】落ち葉がいっぱいつもると、本当にふかふかしたふとんのようになりますものね。あたたかくて、見るからに山も気持ちよさそうです。
秋の雨何か話してやんでいく
前橋新田小4年 大崎 りく
【評】さっと降って、すぐにやむ雨。その音が、小声で話しているみたいに聞こえたのです。何を話していたのか、いろいろ想像できますね。
秋風さんわたしにずっとついてきて
前橋新田小4年 広木 沙彩
【評】登下校の途中でしょうか。こんなふうに、すがすがしい秋風と友だちでいられたら、いつでも曇りのない心ですごせそうな気がします。
マラソンの空一面にうろこ雲
前橋大胡小4年 斉藤 千冬
【評】持久走の苦しさを、空一面に広がった軽やかなうろこ雲が、やわらげてくれている感じがします。これなら、がんばって走れそうです。
秋の空夕日の中を泳いでく
片品武尊根小4年 星野 紗穂
【評】美しい秋の夕空をながめていたら、自分のからだがふわりとうき上がったような感じがして、空を泳いでいる気分になったのでしょう。