林桂選

2008年1月23日上毛新聞掲載


こころはねからだのなかのちゅうしんだ
前橋桃川小1年 まち田ももな
【評】心はからだのどのあたりにあるか分かりませんが、人間の「ちゅうしん」にあることはたしかのように思います。大切な見方です。
ちからをいれてゆきだるまをつくろうよ
前橋粕川小1年 中村  歩
【評】「ちからをいれて」がいい。雪だるまへの思いがこめられています。「つくろうよ」は、雪を待って準備している気持ちでしょうか。
ふゆがきたヒューとなりだすかぜのにおい
前橋粕川小2年 いなばりょう
【評】風の「ヒュー」という音とともに、「におい」も感じるというのです。この二つが重なって「ふゆがきた」ことを知るのでしょう。
糸電話聞こえて来るよ弟の声
前橋山王小2年 石ざきりな
【評】糸電話を伝わってくる声。しかも、弟さんの声と分かるはっきりとした声です。「弟の声」に、驚きの気持ちが込められています。
太陽と金のいちょうはふた子みたい
前橋山王小3年 関根百萌花
【評】黄葉したイチョウの葉の明るさを、太陽と双子みたいだと誇張したたとえを使って表現しています。表現の工夫はとても大切です。
なわとびをやってるときになわさわぐ
前橋山王小3年 林 たくみ
【評】「なわさわぐ」がうまい。なわが地面にあたって音をだしているだけではなく、なわ自身もさわいで音をだしている感じがするのです。
とうこう中はんちょうさんは足が速い
前橋山王小3年 石川 萌絵
【評】班長さんは六年生でしょう。大きな体で歩くスピードに、三年生はついて行くのが大変なのです。一年生はもっと大変でしょう。
白いいき手品のようにあらわれる
高崎国府小3年 八木 佑斗
【評】「手品のように」がいい。なぜ白くなるか知っているので不思議に思わなくなっていますが、現象を見ると不思議な手品のようです。
しんしんと雪のふる中風もふく
前橋大胡小3年 石川たくや
【評】「風もふく」がいい。静かに降る雪ですが、その雪は風によって舞っているのも分かるのです。もちろん大きな風ではありません。
サンタさん悪い子だからこないかな
前橋大胡小3年 須藤 風花
【評】「悪い子だから」は自分を反省しての言葉。でも、自分のことを反省できる人は悪い子ではありません。サンタさんは来るでしょう。
通学路まぶしい太陽目が開かない
前橋大胡小3年 佐藤 舞果
【評】冬の登校時間は、まだ朝日が昇るころ。斜めにさす朝日が目にまぶしいのです。季語はありませんが、季節感のある俳句です。
かれ葉まういちょうなみ木の駅伝大会
前橋大胡小4年 菊地 桃子
【評】イチョウの黄葉で輝く街路を、駆け抜ける駅伝選手。道路も黄色に輝いていることでしょう。絵を見るような美しい情景が浮かびます。
八時だよ電気もうふをつけにゆく
渋川津久田小4年 石田 玄太
【評】八時に電気毛布のスイッチを入れると、寝るときに布団が暖かくなっているのです。俳句の題材が身近にある見本のような句です。
あいさつは友だちになるまほうだよ
前橋駒形小4年 よしのえりな
【評】たしかにあいさつを友だちを作る魔法の言葉だと考えれば、あいさつの声もかけやすくなることでしょう。すばらしい発見です。