林桂選

2008年2月27日上毛新聞掲載


はつもうで火にあたったよばあちゃんと
高崎城山小1年 早さかじょう
【評】初詣はおばあさんと出かけたのです。初詣客のための火にあたった事が一番の印象に残ったのです。よい体験が作品を生んでいます。
ロウバイのあまいかおりがきょうしつに
高崎城山小1年 山だとしあき
【評】だれかがロウバイの花を教室に飾ってくれたのでしょう。教室に広がるロウバイの甘いかおり。冬の教室が暖かい感じになります。
さむいひはちょっぴりいたいはなのさき
高崎城山小1年 てらじまななみ
【評】寒さで痛くなる鼻の先。だれもが一度は経験していそうです。でも、大人は、こういう寒いところに出なくなってしまいがちです。
しもばしらいっぱいあるからふゆがすき
前橋山王小1年 ひ口 まな
【評】冬が好きな理由はいろいろあるでしょうが、霜柱があるからという理由は大人には無理。好きということの純粋性を考えさせる句です。
前橋大室小1年 まつのけいごうさむい朝ぼくのパンジーしもだらけ
【評】霜が降りて白くなったパンジーの花。育てている作者にとっては心配するくらいに白かったのが、「しもだらけ」で分かります。
さくらの木みているだけでねむくなる
前橋桃川小1年 たか木ひな
【評】この「さくらの木」は、満開の桜をイメージしたものでしょう。花の美しさを「みているだけでねむくなる」と表現。おもしろい。
雪がっせんまざってないのになげられた
前橋桃瀬小2年 林  雪音
【評】雪合戦に興奮した友だちは、区別なしに雪を投げつけるようになります。「まざってない」人でも雪合戦の仲間に入れてしまうのです。
学校にあるいてきたらはがひえた
前橋桃瀬小2年 山がゆうか
【評】「はがひえた」がおもしろい。だれも、ほほや手に冬の冷えを感じますが、歯に感じたのです。寒さの厳しさが伝わってくる表現です。
雪がっせんなげたらフードに入ったよ
前橋桃瀬小2年 国友晴のぶ
【評】雪つぶてが、それを避けた相手のフードの中に入ってしまったのです。偶然のできごとを伝えながら、一瞬の動きまで想像させます。
おにさんのおめんをかぶってにげてやる
前橋桃瀬小2年 たん下ゆうか
【評】「にげてやる」がおもしろい。鬼の役を当てられたからには、鬼になりきろうと決心した気持ちが表現されています。
まどふきをしてたらネコがとびついた
高崎国府小3年 八木 佑斗
【評】窓をふく手の動きに興味を持った猫は、とうとうジャンプ。動くものには何にでも興味を持って、じゃれつく猫のようすを描いています。
たくさんの雪の山にかこまれる
前橋駒形小4年 久保香那美
【評】冬になると空気が澄んで遠くの雪山が見えるようになります。こんなにたくさんの雪山に囲まれていたのかという驚きと発見です。
ストーブがこっちへおいでとさそってる
前橋駒形小4年 大橋 実紅
【評】ストーブの心地よい暖かさを、ストーブの誘惑にたとえて表現しています。ストーブの擬人化が、表現の効果をあげています。
体育着を着ると風がとおってああさむい
高崎城山小4年 吉田 亜衣
【評】動きやすいように作られた運動着は、冬の風をよく通します。「風がとおって」がうまい。「ああさむい」は心の中の言葉です。
悲しい時いっぱい笑って元気だす
前橋天神小4年 坂本 知優
【評】身体表現を変えることで気持ちを変えるということは確かにあるでしょう。四年生の小さな体に立派な知恵が備わっているのです。
たん生日弟から初めてのプレゼント
前橋山王小4年 宮崎  愛
【評】お姉さんに誕生日プレゼントを贈れるような年齢に成長した弟さん。姉の視線で、やさしく思いが描かれていてステキな句です。