林桂選

2008年4月23日上毛新聞掲載


すいてきがおふろでうたうよちっぽんたん
群馬大附幼稚園年長 品川 瑞華
【評】水滴の音が「ちっぽんたん」と聞こえました。そう聞こえたことで「うたうよ」と感じることができたのです。たのしい句です。
川のおとがらがらするよつめたいな
前橋桃川小1年 白いわじゅら
【評】春の小川は「さらさら」流れますが、冷たい冬の川は「がらがら」流れているのです。冬の川の感じを、おもしろく表現できています。
タイムしてタイヤにすわったらぬれちゃった
伊勢崎境剛志小2年 野口しょうま
【評】「タイム」は鬼ごっこか何かの休憩。ほっとしてよく確かめずに座ったタイヤが雨でぬれていておしりをぬらしてしまったのです。
せっちゃんは冬のはいくでなやんでる
伊勢崎境剛志小2年 三木 歩嵩
【評】せっちゃんは友だちでしょう。冬の俳句がなかなかできないのです。三木くんは、そのようすをすばやく俳句に書いてできあがりです。
みかんはこたつのうえにのっかってる
伊勢崎境剛志小2年 北爪 涼太
【評】こたつにみかんはだれもが思い描く冬の一場面ですが、この句の「うえにのっかってる」みかんは、どこか偉そうで笑いを誘います。
しもばしらわたしの足の下にある
伊勢崎境剛志小2年 あさがさくら
【評】「わたしの足の下にある」は踏んでいるということです。客観的な表現のように見える「下にある」には、ユーモアがただよいます。
リヤカーにだいこんぱんぱんすごいある
伊勢崎剛志小2年 梅澤 直人
【評】大根の収穫です。学校でみんなで作ったのでしょう。「ぱんぱんすごいある」に大根がたくさんとれた喜びが表現されています。
春がくるさむい冬はしまっとこ
高崎城山小2年 太田あやか
【評】「しまっとこ」という発想がおもしろい。どこにしまっておくのでしょう。しまっておく場所を考えるだけで楽しくなってきます。
風ふくと小さな石たちおどりだす
前橋山王小2年 白石えりか
【評】風に巻き上げられる小石。それを「おどりだす」と表現しました。厳しい冬の風ではなく、暖かい春の風だからの表現でしょう。
お花見はママのたんじょう祝いです
伊勢崎あずま北小2年 まつばらまいこ
【評】花の季節に生まれたお母さん。誕生祝いは家族でのお花見。桜の花の咲くころに生まれなければもらえないステキなプレゼントです。
おにごっこほんとうにおににみえてきた
伊勢崎あずま北小2年 つのだりょうご
【評】捕まえようと必死になっている鬼役の友だちの迫力に圧倒されているのです。「ほんとうにおににみえてきた」がおもしろい。
ふんばるぞいくぞいくぞとゆきがふる
前橋桃瀬小2年 野口 瑛海
【評】雪が降るようすから「ふんばるぞいくぞいくぞ」という思いを読み取りました。もちろん、作者に頑張ろうという思いがあるからです。
友だちといっしょに遊ぶつばき公園
前橋山王小3年 東 美由紀
【評】「つばき公園」は名前のとおり椿(つばき)の花が咲いているのでしょう。椿の咲く寒い季節ですが、友だちと一緒なら気にならないのです。
スキー場車もはなみずたらしてる
前橋山王小3年 やなぎいりょう
【評】スキー場に着いた車には、ツララが下がっているのを見かけます。それを「はなみず」にたとえました。寒さを見つける視点がいい。
仏の座ゆう便やさん春ですよ
前橋大室小4年 萩原木の香
【評】ホトケノザが咲く道を郵便屋さんがやってきます。郵便屋さんに話しかける「春ですよ」の言葉に、春を喜ぶ思いが託されています。
はんがして自分の手がはんがみたい
前橋大胡小4年 大崎 碧輝
【評】版画作りで汚してまっ黒になった自分の手。手が版画作品のように見えてくるほどです。版画作りに奮戦したようすが伝わってきます。
夕焼けが教室の中でそまってる
前橋大胡小4年 勅使河原優
【評】「教室の中で」がいい。夕焼けの色が、教室の壁やカーテンを染めているのでしょう。夕焼けを見つける視点が優れています。
水遊びかめの名前はエメラルド
東吾妻東小4年 野村 直未
【評】一緒に水遊びするカメに付けた名前の「エメラルド」が何ともステキです。ミドリガメなのでしょうか。美しいカメに違いありません。
しゃぼん玉風のつばさで飛んでいく
東吾妻東小4年 吉田 礼美
【評】「風のつばさ」がいい。シャボン玉は、目に見えない透明な風の翼をつけて飛んでいると考えたのです。いかにもシャボン玉です。
飛行機雲ぼくのに顔え書いてくれ
高崎城山小4年 小島けんと
【評】「ぼくのに顔え書いてくれ」という発想がユニーク。飛行機に声をかけたくなったりはしますが、似顔をリクエストするおもしろさ。