林桂選

2008年9月3日上毛新聞掲載


うみのなみすごいぞこわいぞうれしいぞ
前橋元総社南小1年 本田清太郎
【評】「すごいぞこわいぞうれしいぞ」の三つの気持ちの組み合わせで、海の波に接したときの興奮を見事に言い切っています。
こねこはねぼくのあとだけついてくる
前橋大胡小1年 たかはしがく
【評】子猫の生きて行く力は、自分を守ってくれ、かわいがってくれる人を識別して甘えることです。「ぼくのあとだけ」で生まれる愛情が命です。
なつやすみはいくを書いてじまんする
前橋大胡小2年 岩田 みく
【評】夏休みはいっぱい俳句を書くチャンスです。たくさん書いて、先生や友達をびっくりさせてください。いい句も生まれることでしょう。
夏が好きだって海が青いから
前橋桃川小2年 小杉佳菜子
【評】夏の太陽が輝く青い空があってこそ、青い海もあるのです。青い海が好き。その青い海は、夏の光があるからこそ見られるのです。
ふるいけやかえるのがっしょうきこえるよ
昭和大河原小2年 石井 柊也
【評】松尾芭蕉の「蛙(かわず)飛び込む水の音」を意識しているのでしょう。逆に芭蕉は石井君が書いた鳴く蛙(かえる)を意識して「水の音」を書いたのです。
なつのよるゆめの中までまつりかな
前橋山王小2年 今いずみあかね
【評】添削はしないのですが、この句は「ま」を補いました。中七が字足らずなので欠字かもしれません。夢の中まで続く祭りの楽しさ。
おばあちゃんすず虫鳴くのまっている
前橋山王小3年 北村あやの
【評】おばあさんは、スズムシを飼い育てているのでしょうか。「鳴くのまっている」がいい。季節の変化を楽しむ気持ちがあります。
小さな風水に入る
伊勢崎北二小3年 岩かま海と
【評】短律の自由律句。「水に入る」がいい。水面を吹く風を、水の上だけのことではなく、水の中にまで入る現象として深くとらえています。
ふん水は夏のお空に届きそう
伊勢崎北二小3年 入澤 果純
【評】「夏のお空に届きそう」で、元気よく大きく噴きあがる噴水を表現しています。噴水の近くに見上げている作者がいそうです。
夏休みにゅうどう雲はありますか
伊勢崎北二小3年 すぎやまあや
【評】「にゅうどう雲はありますか」は、夏休みへの問いかけの言葉でしょうか。楽しい夏休みへの思いをこめた言葉には違いありません。
木のしたでたくさん遊んで元気の子
前橋大胡小3年 ちばみなみ
【評】校庭の大樹の下で、たくさん遊ぶことが元気のみなもとです。「元気な子」ではなく「元気の子」。元気の子どもになれるというのです。
夏休みあつくてあせ出るせみもなく
渋川津久田小4年 狩野 学人
【評】「あつくてあせ出る」は当然といえば当然のことがら。でも、そこに「せみもなく」が加わり、作者らしい夏休みになっています。
外遊び夕ぐれ時は雨ばかり
前橋山王小4年 小渕 令真
【評】夕暮れ時の雨は、夕立です。外遊びの終わりはいつも雨に降られて終わるのです。たしかに今年はそんな日が幾日も続きました。
ラディシュが赤く染まって太陽みたい
前橋山王小4年 茂木 稜平
【評】カブの赤さは、他の野菜の赤とは違ってひときわ鮮やかです。赤く染まった夕日に見立てているのも、その鮮やかさを表現したいのでしょう。
星を見る目から涼しくなってくる
前橋駒形小4年 荻原 香夏
【評】「目から涼しくなってくる」がいい。夏の夜の星の涼感を巧みに表現しています。目から心に直接入ってくるような涼しさです。
ひまわりにテストまんてんおしえたよ
前橋駒形小4年 荻原 香夏
【評】テストで満点を取りました。大好きなヒマワリにも報告。もちろん家族にも知らせます。見守ってもらっている気持ちがあるからです。
あじさいの庭までなきに行きました
前橋駒形小4年 荻原 香夏
【評】悲しいことつらいことがありました。でも、泣いているところは家族に知られたくないのです。「あじさいの庭まで」が具体的でいい。