林桂選

2008年10月1日上毛新聞掲載


たんぽぽの綿毛のような十六歳
熊谷女高2年 松崎沙也香
【評】まだ頼りなくふわふわした存在としての十六歳の自画像を描いています。たとえは平易ですが、自照としての深みがあります。
太陽の合わせ鏡でしかないとしても人は月を愛でる
熊谷女高2年 山本小百合
【評】長律の自由律俳句。太陽の光で輝いている月を「合わせ鏡」にたとえています。少し理屈っぽい言い方がミソであり、この句の魅力。
空に雲海風にカモメ君に僕
熊谷女高2年 伊藤めぐみ
【評】お神酒徳利(みきとっくり)のようなお似合いの関係を列挙しているわけです。「空に雲」「海風にカモメ」。そして言いたい真意は「君に僕」です。
補習の日アイスと共に下校中
利根商高3年 小野 綾華
【評】もちろん「アイスと共に」とは、アイスを食べながら。お行儀で言えばよくないのかもしれませんが、補習の後の解放感が出ています。