林桂選

2008年10月1日上毛新聞掲載


こおろぎはどこにおいてもいなくなる
前橋山王小1年 しみずふうこ
【評】ちょっと目を離したすきにいなくなるコオロギ。飛び跳ねるコオロギの動きとその印象を巧みに表現しています。
おじいちゃん星になった夏休み
前橋山王小2年 栗原 正明
【評】いろいろな夏休みがあります。でも、栗原くんは、おじいさんを亡くすという悲しい出来事があった夏休みになってしまいました。
花火の下でおまつりやるよ
中之条小2年 小渕 由貴
【評】打ち上げ花火を見ながら、その下に集まっているお祭りの人々を思い描いています。はやる心を、短律の自由律で表現しています。
ひさしぶりプールの水がにじになる
中之条小2年 劔持 美紀
【評】プールのシャワーなどに虹が架かって見えているのでしょう。「ひさしぶり」は、久しぶりに戻ってきた夏の輝く太陽への思いです。
水しぶきいっしょにひかるみんなのかお
中之条小2年 すぎさき千ひろ
【評】水しぶきをあげて泳いだり、遊んだりしているプールのようすです。太陽に輝いているのは水しぶきにだけでなく、みんなの顔も同じ。
がっこうでえがおがいいねなつのかぜ
中之条小2年 関  翔汰
【評】「がっこうでえがおがいいね」は夏休み明けで久しぶりに友達と会ったときの感想でしょう。取り合わせの「なつのかぜ」がうまい。
だしにのりたいこたたいたあついなつ
高崎城山小2年 永田りゅうせい
【評】夏休みに祭りの山車に乗って、太鼓をたたいたのが、大切な思い出になりました。「あついなつ」には、満足感も感じられます。
友達とあえてうれしい歩道橋
前橋桃瀬小3年 野口 瑛海
【評】「歩道橋」がいい。友達とは思わぬところで偶然出会うものです。それがこの句では「歩道橋」なのです。ほんの少し意外な場所です。
夏休みみんながしらないたんじょう日
下仁田小坂小3年 永井  歩
【評】夏休みの期間に誕生日があるのです。クラスの仲間に誕生日を祝ってもらえないままです。さみしい気持ちが描かれています。
夏休み父の休みがまちどおしい
下仁田小坂小4年 吉田 莉紗
【評】家族で出掛ける予定があるのでしょう。夏休みが一番少ないお父さんが休みになるのを待って出掛けるのです。その日を待つ思い。
大けやき夏の風を楽しんで
前橋大胡小4年 大島 芽衣
【評】夏の風に吹かれている大ケヤキ。そのようすを「夏の風を楽しんで」と感じとりました。涼風の渡る校庭が感じられます。
縄跳びの円にすっぽり秋の山
前橋駒形小4年 荻原 香夏
【評】縄跳びの縄が描く円の中に遠景の秋の山が入って見えるというのです。樽(たる)の中に富士山を収めた北斎の浮世絵のような構図。巧みです。
お父さん海に入って水投げる
前橋山王小4年 村山樹里奈
【評】「水投げる」の表現がおもしろい。お父さんと水を掛け合うようすでしょう。「投げる」でお父さんの豪快な水しぶきを描きます。
おるすばんなれているのにさびしいな
前橋大胡小4年 新井 健人
【評】お留守番には慣れても、その寂しさには慣れることはできないのです。自分の微妙な心の状態をうまく表現しています。